「教員のICT活用能力育成に投資を」 OECDが指摘

経済協力開発機構(OECD)は9月8日、『図表でみる教育2020年版(Education at a Glance 2020)』を発表し、今年のコロナ危機下における重要なトピックスなどについてデータをまとめた。記者説明を行ったOECDのマリーヘレン・ドュメ教育・スキル局シニアアナリストは、コロナ禍による休校で遠隔授業の重要性が高まっているものの、日本の学校でのICTの活用割合が低いことを指摘。教員のICT活用能力の育成に向けた投資を訴えた。

『図表でみる教育2020年版』の発表に当たり、WEBで記者説明を行うOECDのマリーヘレン・ドュメ教育・スキル局シニアアナリスト

ドュメ氏は、コロナ禍によりOECD諸国が平均14週間の休校を余儀なくされたことに触れ、「パンデミックで遠隔学習の機会が増えると、デジタル活用スキルが死活的に重要になる。教員がデジタルで教えられなければ子供は学ぶことができず、教育のアウトカム(成果)にも影響が出る」と話した。

OECD国際教員指導環境調査(TALIS、2018年)によれば、授業やプロジェクトのため、生徒に頻繁にICTを使わせている日本の前期中等教育の教員の割合は20%以下と、加盟国の中でも低い。また、校長が「自分の学校の教員は、デジタル端末を指導に取り入れるために必要な技術的・教育的スキルがある」と答えた学校に所属する15歳の生徒の割合は30%以下となっている。

図表:スキル向上のために、各種訓練に参加した前期中等教育の教員の割合(2018)

さらにスキル向上のために各種訓練に参加した前期中等教育の教員の割合をみると、学校による研修は50%以上と高いものの、個人で参加するコースやオンラインコースへの参加率は他国と比べて低くなっている=図表=。ドュメ氏は「教員がテクノロジーを扱うスキルを身に付けるためには、教員の訓練に投資することが最も重要」と述べた。

OECDのアンヘル・グリア事務総長は、パリで行われた発表会見で、「教育制度の強化は、政府の危機回復計画の中心に据えるべきで、若者には成功するために必要な技能と能力を身に付けさせる必要がある。この危機によって、多くの国々ですでに明らかになっている教育の不平等を拡大させないように、できる限りの取り組みをしなければならない」と訴えた。

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