「教師の暗黙知を可視化」 AI×ビッグデータの展望語る

「テクノロジーを活用した教育変革」をテーマにしたオンライン講演会(超教育協会主催)が9月9日に開かれ、AIとビッグデータを活用した教育インフラの開発を進めるソニー・グローバルエデュケーションの礒津政明社長が登壇した。礒津社長はこれからの日本の教育には多様性と個性が求められているとし、GIGAスクール構想の先にある、AIを活用した個々の学習分析の可能性を語った。

テクノロジーを活用した教育について語る礒津社長(左)

講演の冒頭で礒津社長は、急速に人口が減少している日本は、時代に即した教育プログラムを若い世代に提供していかないと、世界から置き去りにされてしまうと警鐘を鳴らした。特に「テクノロジーを活用した教育」は、中国をはじめとする各国と比べると「周回遅れ」の状態にあり、スタートラインにすら立てていないと厳しい見方を示した。

その上で「日本の学校にまつわる大半の問題は、多様性や個性の受容で解決するのではないか」と指摘。多様性や個性を認める教育の実現に向けて、長期的ビジョンを掲げて教育システムをアップデートしなければならないと訴えた。

また、埼玉県と連携して取り組んでいる、AIによる学力調査の分析についても紹介。小学4年生から中学3年生までの学力の伸びが個人レベルで把握できる、同県の学力調査の因果分析をしたところ、学力上位層では勉強時間や目的意識が、下位層では家庭での宿題の取り組みや生活の規律がひも付いていたという。この結果は「アドバイスシート」として児童生徒にフィードバックされ、学力向上に活用されている。

礒津社長は「将来的にはアドバイスシートは校務システムに導入して、教師がワンストップで活用できるようにしたい。AIのアドバイスと教師のアドバイスの比較検証もしている。これが進めば、教師の暗黙知がビッグデータによって可視化され、現場で共有されるようになる」と展望を語った。

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