オンライン授業の協働的な学び 井庭教授が実践法を紹介

協働学習などで共通認識や対話を促すツール「パターン・ランゲージ」を研究している井庭崇慶應義塾大学教授は9月6日、教育関係者向けのオンラインセミナーを開き、同時双方向型のオンライン授業で、協働的な学びを生み出す実践法を紹介した。井庭教授は、学びの重要なポイントを視覚的に確かめられる「ふりかえりのたまご」のやり方などを披露した。

オンライン授業での協働的な学びの創出について語る井庭教授

井庭教授は、新型コロナウイルスの影響で、自身が今年度から取り組んでいる100人規模のオンライン授業で、どのような工夫を行っているかを解説。

例えば、小グループに分けることができるZoomのブレークアウトルーム機能を使い、グループのメンバーを固定した上で、授業内容について感想や質問を言い合う時間を複数回設けることや、授業が想定外の展開になったときは、その場で授業をどう進めていくか、学生の意見を取り入れながら再構築したことなどを紹介した。

井庭教授は「リアルな教室で行っていた授業をオンライン上で『再現』しようとすると、その違いばかり気になってしまう。オンラインならではの授業を『再発見』するつもりでやってみることが大切だ。オンライン授業では、学生の反応や空気感が分かりにくい。そういう意味では、ラジオパーソナリティーの感覚に近いかもしれない。学生にも授業の最初に『ラジオ番組のスタイルでやる』と宣言している」と経験から語った。

さらに現在研究中の新しい学びのツールとして、授業後に学習者が学んだポイントを卵型の図で表す「ふりかえりのたまご」のやり方を紹介した。

井庭教授が提唱している「ふりかえりのたまご」のイメージ

「ふりかえりのたまご」は、最初に卵をイメージした楕円(だえん)を描き、その次に卵の黄身の位置に、授業で最も重要だと思ったことを、卵全体の7割ほどの面積を占めるようにして書き込む。さらに、それ以外の白身のスペースには、他の面白かったことや気付いたことなどを、大きさに差を付けて描いていく。

そうすることで、授業で学んだポイントを視覚的に重み付けすることができる。完成した「ふりかえりのたまご」は、教室に貼り出したり、タブレット端末のカメラで撮影したりして、参加者と共有すると、より効果的な授業の振り返りになる。

この「ふりかえりのたまご」はやり方も難しくないといい、井庭教授は「ぜひ小学校などでも実践してもらいたい」と呼び掛けた。

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