AI教材開発者「学習の個性化」を説明 都が総合教育会議

新しい教育施策大綱の策定に向けて、東京都は9月10日、今年度2回目となる総合教育会議を開き、AI教材「Qubena(キュビナ)」を開発したCOMPASSの神野元基ファウンダーが、ICT活用による学習の個性化がもたらす学校教育の変化について講演。「ICT活用で教科学習を効率化し、そこで子供や先生に生み出された時間を使って、いかに課題解決型の授業をしていくかが問われている」などと話した。小池百合子都知事は「AIやICTの進化はすさまじい。共通の方向性を持たないと混乱してしまう」と述べ、児童生徒や保護者、教師、行政などがビジョンを共有する重要性を強調した。

東京都の総合教育会議で発言する小池百合子都知事

会議の冒頭で小池百合子都知事は、新型コロナウイルスへの対応を踏まえ、「学校の長期休校やオンライン授業など、これまで考えられなかったようなことを一瞬にして行わざるを得なくなった。それらの挑戦が新たな日常、新たな教育の在り方なども提示しているのではないか」とあいさつ。これからの教育では、一人一人の個に応じた細かなサポートや、能力を最大限に伸ばしていく質の高い学びの実現が求められているとして、総合教育会議での議論を次期教育施策大綱に反映させる考えを示した。

講演では、神野ファウンダーが経産省の「未来の教室」実証事業の一環で、キュビナを導入した東京都千代田区立麹町中学校での成果を報告。キュビナによって数学の学習時間が大幅に短縮され、その分をSTEAM教育などの時間に充てられたり、生徒の主体的な学びを促したりできたと強調した。

神野ファウンダーは「こうした学習の個性化で、テーマになるのは探究学習だ。子供たち一人一人の自分の課題や、社会の何に興味を持つのか。それに対してどう探究していくのか。この時間をいかに生み出せるかが学習の個性化だと思う。ここは学校独自、先生独自に無数にカリキュラムを作っていく必要がある」と話した。

さらに「ICT活用によって子供や先生に余裕のある時間を生む。そのためのソフトウエアの活用を行う。それによって子供たちに学習の個性化を図る活動をする。それがGIGAスクール構想の目指してきた本質だと考えている。教科学習の効率化のためのソフトウエアをどう考えるか。それによって生み出された余剰時間を使って子供たちにどのような課題解決型の授業をするか。これだけの大改革をしていくには、教員にタブレットやソフトウエアを渡すだけでは難しい。いかに外部人材を活用するかが鍵になる」と提言した。

講演を聞き終えた小池都知事は「AIやICTの日進月歩の進化はすさまじい。これらのことを教育の現場にどう落とし込んでいくのか。子供と学校の先生と親と、われわれ行政と、しっかり方向性を共通で持っていないと混乱してしまう」と指摘。学校現場でのAIやICTの活用に当たって、方向性の共有が重要だとの認識を示した。

次のニュースを読む >

関連

あなたへのお薦め

 
特集