スポーツ庁長官に室伏広治氏 2代連続金メダリスト起用

政府は9月11日の閣議で、スポーツ庁長官に2004年アテネ五輪の陸上男子ハンマー投げ金メダリスト、室伏広治氏(45)を10月1日付で起用する人事を決めた。任期満了により9月末で退任する鈴木大地初代長官(53)の後任となる。新型コロナウイルスの感染拡大によって来年に延期された東京五輪・パラリンピックに向け、スポーツ行政を担う新たなトップとなる。取材に応じた室伏氏は、長官の任務について「(ハンマー投げの鉄球より)はるかに重いと思う」と笑顔で語った。

スポーツ庁の新長官に就任する室伏広治氏

室伏氏は1974年、静岡県生まれ。ハンマー投げで五輪代表に4回選ばれた父・室伏重信氏の指導を受けてハンマー投げを始め、中京大学時代はインカレ4連覇を達成するなど、記録を更新し続けた。五輪には2000年のシドニー大会から4大会連続出場を果たし、12年ロンドン五輪でも銅メダルを獲得した。

14年には東京五輪・パラリンピック組織委員会のスポーツディレクターに就任。アスリートファーストの大会を目指して競技運営の幹部として調整に当たり、15年には日本オリンピック委員会の理事にも就任するなど東京五輪・パラリンピックに深く関わっている。また、競技を続けながら中京大学大学院で博士の学位を取得し、14年に東京医科歯科大教授にも就いた。選手としては16年6月に現役を引退したが、自身が持つ日本記録は今も破られていない。

東京五輪・パラリンピック組織委員会で報道陣の取材に応じた室伏氏は、スポーツ庁長官への就任について、「スポーツはトップアスリートだけのものではない。人々の健康などさまざまな観点で社会に役に立つことができるならば、素晴らしい仕事だ。どういったものが求められているのかを踏まえ、感動してもらえるスポーツ界を目指したい」と述べた。

また、長官の任務はハンマー投げに使う7キロの鉄球より重いかと報道陣に聞かれると、「はるかに重いと思う。皆さんの力を借りながら精いっぱいやりたい」と笑顔をみせた。

退任が決まり、取材に応じる鈴木大地・スポーツ庁長官

萩生田光一文科相は9月11日の閣議後会見で、室伏氏のスポーツ庁長官への起用について「わが国を代表するトップアスリートであるとともに、スポーツ科学分野での研究活動でも豊富な実績があり、スポーツ全体で優れた実績と高い見識を有している。高い組織マネジメント能力や、国内外のスポーツ関係団体との豊富なネットワークも構築しており、次期スポーツ庁長官に最適任と判断した」と説明。「閣議で報告したところ、『おう』と、どよめきが起きた」と閣僚たちの反応を伝え、室伏氏への期待の大きさを表現した。

15年10月に初代長官に就任し、5年間の任期を終えた鈴木大地スポーツ長官は同日、報道陣の取材に応じ、「皆さんの力のおかげで5年の任期を全うできた」と謝意を表明。「金メダルはやりやすさとやりにくさがある。メダルを後ろに回すくらいでやるとちょうどいい」と述べ、後任となる室伏氏にエールを送った。

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