「入りやすく出にくい」大学へ 教育再生実行会議WG

政府の教育再生実行会議は9月14日、大学でのオンライン教育などを重点的に議論する高等教育ワーキング・グループ(WG)の初会合を開いた。出席した委員の間では、「オンラインと対面、それぞれの良さを生かしたハイブリッド型の教育がこれからの基本になる」という認識で一致した。オンライン授業の導入で、教室やキャンパスの収容可能人数にとらわれない教育が可能になるため、委員からは「入学定員を緩和する一方で、進級・卒業などの評価を厳格化し、大学教育の質保証につなげることも考えられる」という意見が出た。

議事について説明する鎌田薫主査(前早稲田大学総長)

WGに出席した萩生田光一文科相は冒頭のあいさつで、「遠隔授業には、時間的・場所的な制約がなくなるといったメリットがあるが、大学における教育は遠隔授業だけで全てが完結するものではなく、教員や他の学生との交流も重要な要素となっている」と述べた。

また「コロナ禍においても質の高い学修機会を確保することは、まさに大学の使命であり、合理的な理由や事情がない限りは、対面授業の実施や学生による施設の利用について積極的に検討いただくことが必要だ」と指摘した。

会合後に議事内容を説明した鎌田薫主査によれば、会合では「コロナ禍に特有のオンライン授業の状況と、平常時に戻った後の次世代のオンライン授業の在り方は分けて考える必要がある」「新入生とそれ以外の学生、学部や学科などによりオンライン授業の評価が異なるため、それぞれの観点から評価をするべきである」という全体的な方向性が示された。

その上で委員からは「現在、全ての学生が授業に出てくることを前提に、教室やキャンパスのキャパシティとの関係で入学定員が設けられているが、オンラインなら制限なく授業を受けることができる。入学定員を自由化して、オンライン授業を受ける中で一定の成果を上げた人だけがリアルな授業を受けるという形にすることもできる。発想を大きく変えるきっかけになるのではないか」という意見が出たという。

鎌田主査は「従来から(必要だと)指摘されているように、“入りやすく出にくい”大学に変えるきっかけになるのではないか、単位や授業時間など大学の在り方をより自由に発想できるのではないかという前提で議論がなされた」と説明した。

会合では他にも、経済的に厳しい状況にある学生への手当て、オンライン授業で孤独になりがちな学生へのメンタル面でのケア、学生寮でのリスクなどが指摘されたという。検討事項の一つとされていた秋季入学に関する意見は、今回の会合では特に出されなかった。

萩生田光一文科相は「次の内閣でも(教育再生実行会議を)この体制で続けていただきたいと考えているが、今後就任する新総理の考えにもよるため、流動的な部分がある」とした。鎌田主査は「できるだけ引き継ぎ、今回指摘された問題点について議論を深めてほしい」とした。

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