わいせつ教員の再任対策を強化 懲戒歴40年分が検索可能に

児童生徒などへのわいせつ行為で処分を受ける教員が過去最多となり、厳罰化が検討されていることを受け、文科省は9月15日、都道府県・指定都市教委などが教員の採用に当たり、過去の懲戒免職処分歴を確認することができる「官報情報検索ツール」の検索可能期間を、「過去3年間」から「過去40年間」へと大幅に延長すると発表した。性犯罪の再犯率が高いことを踏まえ、採用時の慎重な判断につなげる。今年11月から過去5年分、来年2月から過去40年分が検索できるようになる。

閣議後会見で法改正の検討状況を話す萩生田文科相

官報情報検索ツールは文科省が2018年以降、都道府県・指定都市教委や国立・私立学校などに提供しており、氏名を入力すると官報に公告された教員免許状の失効に関する情報を検索できるようになっている。

ただ現状のツールで検索できるのは、懲戒免職による教員免許状の失効後、再取得できるまでの3年分のみで、それ以前の処分歴を隠して再任された教員が再びわいせつ行為に手を染めるリスクが指摘されていた。そのため、懲役・禁錮の最長刑期30年に刑の消滅期間10年を加えた40年間へと検索範囲を広げ、今後も3カ月ごとに失効情報を更新する。

官報情報検索ツールの利用は、都道府県・指定都市教委など採用権者に限る。文科省の浅田和伸・総合教育政策局長は「採用に当たって判断の手助けとなるツール。該当したからといって、すぐに失格・失職するというものではない」とした。また、教員免許状の失効情報について「機微な個人情報であり、子供を守るための正しい使い方をしてほしい」と念を押した。

わいせつ教員の厳罰化に関しては、懲戒免職での教員免許状の失効後、再度取得できるようになる期間を現行の3年から延長するなど、教育職員免許法の見直しが求められている。萩生田光一文科相は7月の衆院文部科学委員会で「私の責任において、できるだけ速やかな法案提出を念頭に進めていく」と答弁したが、現在も検討が続けられている。

官報情報検索ツールについて説明する文科省の浅田和伸総合教育政策局長

15日の閣議後会見で萩生田文科相は「法改正にいまだ踏み切れないのは、他の免許制度との整合性が課題になっている」として、他の免許資格と比べ、教員免許状についてのみ再取得のハードルを上げることについて、慎重な検討がなされている状況を明かした。

ただ「義務教育の教員を、親や子供たちは選ぶことができない。そういった意味で教員の免許資格は、(医師や弁護士といった)他の国家資格などとは、やや性格が違うのではないか。人が更生できないと決めつけるつもりはないが、わいせつ教員の再犯率が高いというエビデンスもあり、厳格に臨んでいかないと子供たちを守れないのではないかと判断した。本当は任期中に法改正まで踏み込みたかったが、今できる最大の方策として、この(官報情報検索ツールの)施策を実施することに決めた」と述べた。

わいせつ行為を行った教員は、全ての都道府県・指定都市教委の懲戒処分基準で「原則として懲戒免職とする」とする規定が近く整備される見込みで、文科省は「今後も引き続き運用の徹底や、告発を遺漏なく行うことを各教委に求める」としている。

次のニュースを読む >

関連