現職以上のICT活用力を 教員養成部会で指摘相次ぐ

中教審の初等中等教育分科会教員養成部会は9月17日、第116回会合をオンラインで開き、教職課程を置く大学に向けて、学生らのICT活用指導力を一層充実させるよう文書を出す方針を示した。委員からは「これから教員を目指す学生には、現職以上にICTを活用する力が必要だ」といった声が相次いだ。

文書案では、これからの教員に求めるICT活用指導力について、「教師を支援するツールとしてICTを活用するとともに、児童生徒の情報活用能力の育成に関する指導法だけでなく、ICTを活用して主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善をしていく力」と説明。「特定の科目に限らず、教職課程の授業全体でICTを積極的に活用することが望まれる」と強調した。

具体的には、2018年6月に改訂された「教員のICT活用指導力チェックリスト」などを参考にして、「現職の教師に求められる資質・能力の全体像や個々の内容、水準を十分意識しつつ、これらのリストの各項目を含んだ『カリキュラムマップ』の作成などを通じて、個々の授業科目のどの部分でこれらの資質・能力を身に付けるのか検証して、その結果を公表する」などと、活用法について説明。

文科省が学校や教委向けに作成した「教育の情報化に関する手引」や動画コンテンツを大学の教職課程で活用して、「学生が、より実践的に、また確実に教師の ICT 活用指導力を身に付けることができるよう取り組むこと」とした。

さらに、「『教育の方法及び技術』『各教科の指導法』だけでなく、『教育課程の意義及び編成の方法』『道徳の理論及び指導法』『総合的な学習の時間の指導法』『特別活動の指導法』などにおいても、教師のICT 活用指導力に関する内容を積極的に取り扱うこと」などと、具体的に触れた。

委員からは、文書案中の「教職課程の学生に、現職の教師と同等の水準を直ちに求めるものではない」との文言への指摘が相次いだ。

例えばGIGAスクール構想の実現など、ますます学校現場でICTの役割が大きくなることを踏まえ、「教職課程の学生には、現職の教師と同じ水準のICT活用力を求めるだけでは遅いのではないか」「現職を超えるICT活用力を期待する」などと声が上がった。

また、コロナ禍でオンライン授業やオンラインと対面の授業を併用するハイブリッド型の授業へのニーズが急速に高まっていることから、「主流のツールの使い方はもちろん、オンライン授業の環境設計や運営能力も必要になってくる」「既存の『教員のICT活用指導力チェックリスト』は対面授業ありきで作られているので、オンラインやハイブリッド型の授業についての要素も入れるべきだ」などの指摘があった。


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