教科書検定 手続き改善など審議開始、文科省

教科書検定制度の現状と課題を巡り、文科省は9月17日、教科用図書検定調査審議会の総会を開き、教科書検定手続きの改善方策や検定基準の改正について、審議を要請した。具体的な検討事項としては、教科書にWEBページアドレスやQRコードなどの二次元コードを記載する場合、リンク先の内容に変更があった時に報告を受けることを検定規則で明確に規定することや、検定に不合格となった教科書が再申請できる回数に上限を定めることなどが挙げられた。

教科書検定制度について議論する教科用図書検定調査審議会の総会

総会では、文科省の担当者が審議を要請する趣旨を説明。教科書検定手続きの改善方策については▽新型コロナウイルス感染症などへの対策▽変化が激しい社会情勢の教科書への適時の反映▽静ひつな環境における公正・中立な審議の確保――を挙げた。教科書検定基準の改正については、教科書における資料の内容を児童生徒が適切に読み取れるようにすると説明した。

具体的な検討事項として、教科書検定手続きの改善方策では、次の8項目を挙げた。

    • 感染症対策の観点から、対面での申請書などの受理や、検定審査料の納付の在り方を見直す。
    • WEBページアドレスや二次元コードを記載する教科書について、リンク先の内容に変更があった場合、教科書発行者から報告を受けることを検定規則で明確に規定する。
    • 教科書の訂正件数が多いため、学校現場に迅速かつ確実に周知するため、より適切かつ簡便な方策を考える。
    • 検定審査の結果公表まで情報管理を徹底するための改善方策。
    • 不公正な行為をした申請者に対して、同じ申請者が同一の種目に属する図書を次に申請した場合に検定審査不合格とする制度について、不合格となる申請の範囲を明確にするため、検定規則の規定の見直しを図る。
    • 検定審査不合格となった場合、不合格となった教科書の再申請の回数に上限を定めるとともに、2回目以降の再申請の期間は翌年度とする。
    • 近い将来に客観的事情が変更されることが確実である事項に関して、申請する教科書でどのように記述しておけば良いか実施細則上で明確にする。
    • 教科書に使用する写真や資料について、肖像権や著作権などの権利処理がなされないまま申請されるケースが増えているため、権利処理が済んでいることを検定申請時に確認できるようにする。
    • 教科書検定に関わる申請書は、紙とともに電子データの提出も求める。

また、教科書検定基準の改正では、2項目を挙げた。

    • 児童生徒の言語能力と情報活用能力の育成に向け、中教審が「教材自体についても、資料の内容を適切に読み取れるような工夫を施すべきである」と指摘したことを受け、引用資料の規定について、「児童生徒が資料の読み取りや活用を的確に行うことができるよう」との趣旨を読み取れるように見直す。
    • 検定基準別表の表記の基準で取り上げている「学術用語集」は現在大半が絶版となっており、最新の学術動向が反映されていないと指摘があることから、削除する。

審議会では総括部会で検討事項を審議し、11月下旬をめどに審議結果をまとめる。

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