GIGAスクール「強力に進めていく」 菅首相就任会見

内閣総理大臣に就任した菅義偉首相は9月17日夜、就任後初めての記者会見を首相官邸で開き、最優先で取り組むべき課題として新型コロナウイルス感染症対策を挙げ、社会のデジタル化を進めるためにデジタル庁の新設を表明した。その一環として「GIGAスクールを強力に進めていく」と、教育分野のデジタル対応を重視する考えを示した上で、「行政のデジタル化の鍵はマイナンバーカード」と説明した。菅首相は官房長官時代に、GIGAスクール構想や学校健康診断へのマイナンバーの活用を打ち出しており、学校現場にも影響を与えそうだ。

内閣総理大臣に就任後、初めて記者会見する菅義偉首相

菅首相は、新型コロナウイルス感染症対策を「いま取り組むべき最優先の課題」と位置付け、「欧米諸国のような爆発的な感染拡大は絶対阻止し、国民の命と健康を守り抜く。その上で社会経済活動との両立を目指す。さもなければ、国民生活が成り立たなくなる」と話した。

さらに「新型コロナウイルスで浮き彫りになったのは、デジタルとサプライチェーンの見直しだと思う」として、社会のデジタル化を進める必要性を強調。「ようやく解禁されたオンライン診療は今後も続けていく必要がある。ポストコロナ時代の子供たちの教育のために、GIGAスクールも強力に進めていく」と述べ、オンライン診療とGIGAスクール構想を具体例として挙げた。続けて「行政のデジタル化の鍵はマイナンバーカード」と説明し、複数の省庁に分かれている関連政策をまとめて進めるため、デジタル庁の新設を表明した。

学校教育とマイナンバーはこれまで直接的な関連はなかったが、政府内では、GIGAスクール構想や学校健康診断にマイナンバーを活用する案が内閣官房を中心に検討されている。GIGAスクール構想では、1人1台端末の整備を受け、児童生徒が端末からネットワークに入っていく際に、本人認証の手段としてマイナンバーの活用を想定。学校健診では、パーソナル・ヘルス・レコード(PHR)の一部として、学校や自治体が持つ児童生徒の健診データを記録する際にマイナンバーで本人確認を行うことを目指している。

菅首相は今年6月、官房長官として、マイナンバー制度と国と地方のデジタル基盤の抜本的な改善を目指すワーキンググループ(WG)に出席。今後の課題の一つとして、学校健診やGIGAスクール構想など教育分野へのマイナンバー活用を挙げ、「年内に工程表を策定するとともに、できるところから実施していきたい」と指示している。

また、少子化対策について、菅首相は「わが国の未来を担うのは、子供たち。少子化対策は長年の課題だ」として、「若い人たちが将来も安心できる全世代型社会保障制度を構築していきたい」と述べた。

具体的な政策課題として、待機児童問題を取り上げ、「経済成長の果実を生かして、72万人分の保育の受け皿を整備し、昨年の待機児童者数は、調査開始以来最少の1万2000人だった。今後、保育サービスを拡充し、この問題に終止符を打っていきたい」と明言。「出産を希望する世帯を広く支援し、ハードルを少しでも下げていくため、不妊治療への保険適用を実現する」とも打ち出し、「安心して子供を産み育てることができる社会、女性が健康に活躍することのできる社会、そうした環境を整備していきたい」と抱負を述べた。

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