デジタル教科書 「2024年度がターニングポイント」

学習者用デジタル教科書は、新しい学習様式をもたらすか――。超教育協会(小宮山宏会長)は9月17日、オンラインシンポジウムを開いた。国語の教科書などを手掛ける光村図書出版の黒川弘一専務取締役(教科書協会デジタル教科書政策特別委員会座長)が登壇し、GIGAスクール構想によって学校の1人1台環境が実現した後、学習者用デジタル教科書が与える学びへのインパクトを語った。

学習者用デジタル教科書の可能性を語る黒川専務取締役(Zoomで取材)

黒川氏はまず、新学習指導要領に基づく小中学校の教科書の9割以上で学習者用デジタル教科書が提供されているものの、学校現場への普及は進んでいない現状を報告。さまざまな機能を備えた学習者用デジタル教科書が、紙の教科書での学習が困難な児童生徒や、日本語の習得が不十分な外国人児童生徒など、特別支援教育の有効なツールになることを強調した。

その上で、コロナ危機で見えてきた学習者用デジタル教科書の今後の方向性について、「対面授業だけでなく、個別学習や家庭学習との組み合わせの重要性が認識された。単に学びを止めないというだけでなく、主体的・対話的で深い学びを目指した、新しい学習様式への移行と捉えるべきだ。個別最適化された学びに取り組むチャンスになる」と述べ、オーソドックスな授業だけでなく、さまざまな学びの形態に対応していく必要があるとの認識を示した。

さらに、文科省が示したGIGAスクール構想の工程表を基に、次の小学校教科書の改訂時期に当たる2024年度が、学習者用デジタル教科書のターニングポイントになると指摘。教科書の制作スケジュールなどを勘案すれば、法改正を含めた学習者用デジタル教科書に関する教科書制度の整備は、来年のうちに行わなければ間に合わないと説明し、教育のデジタル化の流れを止めないためにも、学校のICT環境の持続的な整備が必要だと強調した。

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