教科担任制、通級指導で教員2397人増を要求へ 文科省

今月末が期限となっている来年度予算の概算要求を巡り、文科省は9月25日、小学校高学年での教科担任制の導入や、障害のある児童生徒への通級指導の充実などに取り組むため、来年度に2397人の教員増を図る方針を固めた。少人数学級の実現に必要な教員増については、年末までの予算編成過程で検討するため、概算要求段階では人数と金額を明示しない「事項要求」とする。また、GIGAスクール構想の推進に向け、CBTを使ったオンライン学習システムを全国の学校が利用できるように大幅な機能拡充を図るほか、全国学力・学習状況調査では約1万人の児童生徒を対象にCBTでの調査を試行的に実施する。

文科省は、同日開かれた自民党文部科学部会で、来年度予算案の概算要求について、ポイントを説明した。教育新聞社が入手した資料によると、文部科学関係予算の要求・要望額は5兆9118億円で、前年度予算額5兆3060億円よりも11.4%増の大幅な伸びとなった。このうち、文教関係予算は4兆3011億円(前年度4兆303億円)を占める。

公立小中学校などの教職員の人件費となる義務教育費国庫負担金は1兆5208億円(前年度予算額1兆5221億円、補正予算額40億円)。

小学校高学年での教科担任制を2022年度に本格導入するのに先駆け、小学校教員の持ちコマ数を軽減させて専科指導を充実させるため、義務教育9年間を見通した指導体制への支援として教員2000人を加配する。また、発達障害などの障害のある児童生徒が増えている実情を反映した通級指導や、外国人児童生徒に対する日本語指導、初任者研修体制をそれぞれ充実させるため、基礎定数を合計397人増やす。

教職員定数は、児童生徒の人数に応じて増減する仕組みになっているため、少子化による自然減や配置の見直しによる定数減が行われる一方、教科担任制や通級指導などへの対応で定数増を図り、全体として教職員数は微減にとどまる形で予算要求する。

少人数学級の実現については、政府の教育再生実行会議で30人学級を一つの目安として計画的な整備を求める議論が進んでいることなどを踏まえ、概算要求段階では必要な教員数や金額を明示しない「事項要求」とし、年末までの予算編成過程で検討することを求める。

文科省担当官は9月24日の自民党教育再生実行本部の会合で、「来年度からすぐに30人学級を実現するには8万~9万人の教員増が必要。だが10年かけるならば、その間に児童生徒数には100万人ほどの自然減があり、必要な教員増は5万人程度にとどまる」と説明。すでにさまざまな理由で加配している教職員の人件費を、少人数学級に必要な増員分に充当する案を含め、予算編成過程で財務当局と折衝しながら具体案を描いていく考え。

新型コロナウイルスの感染拡大で、学校現場を支援するために増員された学習指導員やスクール・サポート・スタッフについては、来年度予算でもほぼ同水準の人数を維持する。学習指導員3万2000人分として131億円(前年度予算額32億円、補正予算額99億円)、スクール・サポート・スタッフ2万4500人分として108億円(同28億円、同80億円)を求める。

中学校における部活動指導員は、教員の働き方改革の一環として現行の3000人から1万3200人に大幅増を図り、15億円(前年度予算額3億円)を要求する。

GIGAスクール関連では、まず、学校のICT環境整備を進める自治体を支援するGIGAスクールサポーターに53億円(前年度補正予算額105億円)を計上。学習者用デジタル教科書の実証事業やクラウド配信の検証などに新規項目として52億円を計上する。

さらに、CBTを使ったオンライン学習システムについて、今年度に小中高200校規模が利用できるようにプロトタイプを開発しているシステムの機能を改善・拡充。来年度には希望する全国の小中高が活用できるようにサーバーの整備を進め、学習履歴(スタディ・ログ)の分析やフィードバックができるようにするため、36億円(前年度予算額2億円、補正予算額1億円)を要求。

全国学力・学習状況調査のCBT化については、文科省が専門家と進めてきたワーキンググループの論点整理で、小規模からの試行・検証を進めるよう求めたことを踏まえ、来年度には約1万人の児童生徒を対象にCBTによる調査を試行的に実施するため、新規項目として6億円を求める。

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