「全ての子供の可能性引き出す」 答申中間報告へ、中教審

中教審の初等中等教育分科会は9月28日、第127回会合をWEB会議形式で開き、答申の中間まとめ案について検討した。同11日に「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」で示した素案から、タイトルを「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」と修正し、ポストコロナ時代の新しい学びのポイントを端的に示した。

会議を進行する座長の荒瀬克己・関西国際大学学長補佐

同11日の特別部会では、答申中間案のタイトルを「誰一人取り残すことのない『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~多様な子供たちの資質・能力を育成するための、個別最適な学びと、社会とつながる協働的な学びの実現~」としていたが、委員から「『誰一人取り残すことのない』はネガティブな印象。われわれは1人1人を生かすという、もう少し前向きな教育の在り方を考えて議論している」という声が挙がっていた。

タイトル以外には、前回の中間まとめ素案から大きく追加・変更された項目や論点はなかった。この中間案に対し、会合ではICTの活用や教員の確保など、さまざまなテーマについて委員から意見が挙がった。

中間案では「個別最適な学び」と「協働的な学び」は、それぞれを行ったり来たりしながら展開するものとされ、そのうち特に個別最適な学びを支える指導の個別化には、ICTの活用が期待されている。また、「主体的・対話的で深い学び」や、不登校など支援の必要な児童生徒にきめ細かな対応を行う上でも、ICTの活用が有効とされている。

そうした論点を踏まえ、ある委員は「端末は授業で日常使いする必要があり、無用の長物にしてはならない。教師がどう生かしていくのかが運用のポイントになる」と指摘。「個別最適な学びの名のもと、放任や孤立は避けるべき。ICTだけがマストアイテム(必需品)というわけではなく、指導や支援などの関わり、定性的な評価も重要になる」と述べた。

また、別の委員は「学校の設置者がクラウド活用を認めなければ、デジタル教科書・教材などの機能が利用できない可能性が高くなる。端末がうまく学習環境として機能するためにも、情報関係の条例改正を急ぐ必要がある。また、教員研修はこれから大幅にオンラインに移行すべきで、設置者を超えて、各校の取り組みをオンラインで共有する仕組みを推進しなければならない」と要望した。

他にも、ポストコロナの新しい学びを実現する上で、国や地域など教育行政の在り方に関する記述が必要だとする声もあった。

ある委員は「行政側は、学校や現場に『何かをさせよう』という発想から、学校が主体的に動けるようにするには、どう伴走支援していくかという発想に変わる必要がある。現場にだけ変化を押し付けようという発想では、うまくいかない」と指摘。

別の委員らは「学校の裁量、自主性・自立性を支え、生かしていくには、教育委員会の在り方は現状のままでよいのか」「コロナ禍で家庭、地域、学校の連携がさらに重要になっている。中間まとめには、(首長と教育委員会が協議する)総合教育会議の活性化を盛り込んでは」と述べた。

中教審では今回の議論を踏まえて中間まとめを作成し、10月中旬に総会で報告する。さらに関係団体へのヒアリングを経て、11月中旬から特別部会で答申素案の検討を始める。

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