ITスキルの獲得で困窮家庭の収入確保 在宅で就労支援

子供の貧困対策などに取り組むキッズドアが、社会人向けオンラインスクール「デイトラ」を運営する東京フリーランスと連携し、デイトラのウェブデザインコースを、新型コロナウイルスの影響で経済的に困窮している家庭の保護者が無料で受講し、収入の確保につなげる取り組みを始めた。9月24日に厚労省で記者会見を行った関係者らは、就労支援を目的とした在宅でのIT教育の必要性を呼び掛けた。

経済的に困窮する家庭の新しい就労支援を提案するキッズドアの渡辺理事長(左)

プロジェクトは9月初めに、キッズドアが支援している全国の困窮する子育て世帯に募集を行い、定員10人に対して100人を超える応募があった。受講者は3カ月間にわたり、デイトラのウェブデザインコースをオンラインで受講し、スキルを習得するだけでなく、フリーランスとして仕事を獲得するためのノウハウなども学ぶ。

ウェブデザインを本業や副業にできれば、子育てをしながら在宅で仕事ができ、安定的な収入を確保できるようになるため、子供の貧困対策や教育格差の是正にもつながると期待される。

新型コロナウイルスは非正規の仕事に就く保護者やひとり親家庭に深刻な打撃を与えており、キッズドアによると、実際にプロジェクトに応募のあった116人のうち、今年の年収見込みが200万円以下になると答えた割合は69%、新型コロナウイルスの影響で減収となった割合は67%、失業した割合は17%だった。

記者会見で、プロジェクトに参加することになった都内在住の30代の保護者は「もともと在宅ワークに興味があったが、どこから手を付けていいか分からなかった。現在就いている福祉の仕事は低賃金で、自分で稼ぐ方法を確立したい。個人で仕事を獲得することに不安はあるが、この学びが自分や子供の何らかの役に立つと思っている」と前向きに答えた。

また、東京フリーランスの船越良太CEOは「フリーランスを目指す人の教育支援を手掛けてきて、このコロナ危機で生活に苦しむ子育て世帯の力になればと提案した。プログラミングやITはリカレント教育の側面もある。失業者がITを学ぶ機会を公的に支援してもよい」と指摘。

渡辺理事長も「子育て中は就業支援プログラムに通うことは難しく、在宅で学べるのが魅力だ。食費すらも十分ではない家庭の保護者にとっては、稼ぐためにスキルを学びたくてもその資金がない。トレーニングの費用やネット環境の整備を支援することが重要だ」とオンラインによる就労支援の充実を訴えた。


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