ポストコロナの学校基盤整備 概算要求4兆3011億円

文科省は9月29日、来年度予算案の概算要求を公表した。文部科学関係予算5兆9118億円のうち、文教関係予算は前年度から2708億円増え4兆3011億円となった。小学校高学年での教科担任制による専科指導の充実、障害のある児童生徒への通級指導の充実などで2397人の教員増を図るほか、学校での感染症対策の充実に169億円(前年度予算額4000万円・補正予算額105億円)、GIGAスクールサポーターの配置に53億円(前年度補正予算額105億円)、学習者用デジタル教科書の普及に52億円(前年度予算額2000万円)など、ポストコロナの学校基盤整備に向けた項目が並んだ=図表=。

Withコロナ・ポストコロナの学校基盤整備に向けた項目が並ぶ

文教関係予算のうち最大の予算枠で、公立小中学校などの教職員の人件費となる義務教育費国庫負担金は1兆5208億円(前年度予算額1兆5221億円、補正予算額40億円)。小学校高学年への教科担任制の導入で2000人を加配するほか、障害のある児童生徒への通級指導、外国人児童生徒に対する日本語指導、初任者研修体制の充実で基礎定数を計397人増やす。

一方、教職員配置の見直しや定数の自然減があり、要求額は前年度予算額から減少する。少人数によるきめ細かな指導体制の整備にかかる教員数や金額は明示せず、年末までの予算編成過程で検討する「事項要求」とする。

新型コロナウイルス感染対策と教育活動を両立する「Withコロナ期」の対応としては、学校での感染症対策を大きく充実させる。現場で継続的に必要となる消毒液、保健衛生用品などの整備、校内消毒にかかる経費の補助に77億円、特別支援学校ではスクールバスでの感染リスク低減のための増便に52億円を要求する。

また政府全体のPHR(Personal Health Record、生涯にわたる健康情報を、マイナンバーなどを用いて本人や家族が把握できるようにする仕組み)の推進の一環として、▽感染症が疑われる場合に、合併症などの学校健診情報を検査・診療に役立てる▽40程度の自治体でマイナポータルを通じて健康状態や既往歴などを把握し、医療者との意思疎通につなげる――といった活用に向けた調査研究に1.5億円を要求する。

人的支援としては引き続き、学習指導員など(3万2000人)やスクール・サポート・スタッフ(2万4500人)の配置を進め、学校の感染対策のために教員や学校教育活動を支援できるようにする。また、中学校における部活動指導員(1万3200人)の配置も進める。

新型コロナウイルスが終息した「ポストコロナ期」に向け、対面とオンラインを組み合わせた学びの実現に向けた取り組みも進める。ICTの知見を有するGIGAスクールサポーターを、4校に1人の割合で配置するため53億円を要求。ICT環境整備の設計やマニュアル作成のほか、臨時休業となった場合のオンライン授業の実施の支援に当たる。

また1人1台端末環境の実現と併せ、学習者用デジタル教科書の普及・活用が検討されていることから、来年度に端末やネットワーク環境が整い、かつ参加を希望する小中学校で、小学5、6年生、中学生を対象とした実証事業を行う。小中学校などのうち約7割の参加を想定し、小学生は1教科分、中学生は2教科分のデジタル教科書・教材の経費全額(50億円)を要求する。

さらに全国学力・学習状況調査のCBT化に向け、約1万人の児童生徒を対象とした試行検証を実施するほか、大学入学共通テストでも成長戦略などでCBTの活用を検討するよう求められていることから、調査研究に着手する。

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