大学入試の意見募集に669件 取りまとめを年明けに延期

文科省の「大学入試のあり方に関する検討会議」は9月30日、第14回会合をオンラインで開き、8~9月にウェブ上で行った意見募集の結果を踏まえ、これまでの検討会議の議論について検証を行った。会合では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、新たにデジタル化への対応などを集中的に議論する必要性があるとして、当初は年内を予定していた取りまとめの時期を延ばす方針も確認された。

寄せられた意見を踏まえ、これまでの議論を検証した第14回会合(YouTubeでのライブ配信より)

8月12日~9月11日に文科省ホームページ上で行った意見募集では、高校生や高校、大学の教員などから、合計で669件の意見が寄せられた。この日の会合では、これまで検討会議で議論してきた主な論点とその他を加えた8つのカテゴリーごとに、自由記述による回答の集約結果が示され、各委員が注目した意見を取り上げながら、これまでの検討会議の議論を捉え直した。

高大接続改革を巡っては、有識者委員の両角亜希子・東京大学大学院教育学研究科准教授が「大学入試の影響を高校教育が受けるからといって、大学入試を変えて高校教育を変えようという発想はやはりおかしいのではないかという意見があった。有識者のヒアリングでも、高校は大学入試の影響を受けているという意見には違和感を覚えていた。教育を変える手段として入試を変えるのではなく、教育を変えたいのであれば、教育そのものを変えるべきだという意見にきちんと耳を傾ける必要がある」と指摘した。

また、大学入学共通テストでの記述式問題の出題では、島田康行・筑波大学人文社会系教授が「意見のほとんどが採点の公平性が担保できないという理由で反対の立場だ。記述式問題は各大学の2次試験で問うべきだというのが大方の意見で、いずれも検討会議の議論の方向性と等しいと読める」と分析。その上で「2次試験で記述式問題を出題する場合、各大学の問題作成能力がかなり異なる点が懸念される。いくつかの大学が連携して共通問題を作成することも必要なのではないか」と提案した。

大学入試に関する教育格差の問題では、斎木尚子・東京大学公共政策大学院客員教授が、新型コロナウイルスへの対応でオンラインの活用が増えていることを念頭に、「受験におけるオンラインシステムの導入がいや応なく進んでいる。これをチャンスと捉えて前向きに取り組んでいきたい。総合型選抜ではオンラインで面接をしている。交通費の節約にもなり、経済格差や地域格差を和らげることになる。コロナが収束した後も格差解消の観点から、入試でのオンライン面接などを活用していくべきだ」とメリットを強調した。

さらに会合では、座長・副座長提案として前回会合で示された「今後の議論の進め方」を受け、ポストコロナ時代の大学入試や共通テストの在り方を、新たな検討事項に加えることも確認された。今後、入試形態ごとの実態調査や、年明けに実施される第1回共通テストの状況などを踏まえた議論を行う機会を設けるため、年内に取りまとめを行う予定だった当初のスケジュールを変更し、年明け以降も議論を継続する。

ただし、新学習指導要領に対応した2024年度の大学入試の実施方針を、来年夏までに通知する必要があることから、遅くともそれに間に合わせる形で報告を取りまとめるとした。

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