教員のICT活用能力など 世界各国の学校で格差広がる

経済協力開発機構(OECD)は9月29日、オンラインで会見を開き、世界79カ国・地域の15歳約60万人が参加した最新のPISA2018調査の分析結果『有効な政策と成功する学校(Effective Policies, Successful Schools)』を公表した。世界各国の学校で、オンライン環境や教員のICT活用能力での格差が広がっていることが明らかになった。

オンラインで会見するOECDの関係者ら

アンドレアス・シュライヒャーOECD教育スキル局長は、新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な混乱状況を踏まえ、「今回の危機によって、世界中の教育制度における多くの不十分さ、不平等が明らかになった。恵まれない環境にいる若者が特に影響を受けており、各国は、全ての学校が必要とする資源を手にし、全ての生徒が平等に学習の機会と成功のチャンスを得られるように取り組むべきである」と警鐘を鳴らした。

報告書によると、学校で使うパソコンなどオンライン機器の質について、国内間であっても恵まれた学校と恵まれない学校との間に大きな差があった。ブラジルでは恵まれた学校に通う生徒の68%が、質の高いデジタル端末を使い学習できていた一方、恵まれていない学校では10%足らずで、約60ポイントもの差があった。

さらに「デジタル端末を授業に取り入れるために必要なテクノロジーの知識や指導力が教師にある」と回答した学校に通う生徒はOECD諸国平均で65%だったが、こちらも国内間で格差が見られた。

例えばスウェーデンの場合、社会経済的に恵まれた学校では89%であるのに対して、恵まれていない学校では54%だった。

「自分の学校の教師にデジタル端末を授業に取り入れる準備をするための十分な時間がある」と回答した学校に通う生徒は、OECD諸国平均で約60%だった。最も高かったのは中国の4地域・都市で、約90%に上った。一方、最も低かったのは日本で、10%をわずかに上回る程度だった。

また新型コロナウイルス感染症の拡大以前から、各国の学校で人材不足が深刻化していた。「教員の欠員によって学習が妨げられている」と報告している学校に通う生徒の割合は、OECD諸国平均で27%にとどまった。加えて、教員不足の報告の度合いが大きいほど、生徒の読解力の点数が低くなる傾向も見られた。

同報告書では「全ての生徒に公平な学習機会と、学校での成功のチャンスを与えようとするならば、どの学校も適切で良質な資源と支援を得られるようにするのが重要だ」としている。

次のニュースを読む >

関連
関連記事