「遠隔家庭学習も授業時数に」 平井デジタル改革担当相

平井卓也デジタル改革担当相は9月30日、教育新聞などのインタビューに応じ、教育分野のデジタル化について、登校を原則としている義務教育段階においても、「(対面学習を)補うものとして、自宅で(遠隔)学習した分も授業時数に含まれるという可能性を第一に考えていくべきだ」と強調した。またクラウド上のデジタル教材の使用、学習データの利活用など、個別最適な学びに向け、「データの標準化やプラットフォームの議論をこれから、われわれがしていきたい」と意欲を見せた。

教育新聞などのインタビューに答える平井デジタル改革担当相

平井担当相は同23日のデジタル改革関係閣僚会議の席上、コロナ危機で浮き彫りになったデジタル化への課題の一つとして、教育分野に言及。今回のインタビューでは、「OECDの中でも(日本の教育の)デジタル化が遅れているのは明らか。高校や大学ではオンライン(授業)がニューノーマルになっているし、ならざるを得なかったということだったと思う」と現状認識を述べた。

また緊急時の学びの保障について触れ、「この20年間にSARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、COVID-19(新型コロナウイルス)があったわけで、今後も当然あると考えられる」として、GIGAスクール構想で整備された1人1台端末を各自治体・学校の判断で持ち帰り、家庭学習を続けられることの意義を強調した。

その上で現状、学校教育法施行規則で小中学校の授業は原則として対面を想定していることを踏まえ、家庭での遠隔学習を授業とみなすことも必要だとして、「萩生田文科相と今後も議論をしていきたい」と述べた。こうした規制改革について今週から、平井担当相、河野太郎行改担当相と萩生田文科相の間で議論する場を設けるという。

平井担当相は「デジタル化というのは、今までのやり方でデジタル機器を使うということではなく、今までのやり方を根本的に変えて新しい価値を作っていく、という意味。医療、教育にしても、新しい価値をどうやって生んでいくかというのが一番重要だ」と述べた。

さらに「今回は『誰も取り残さない』ということを目的にしており、誰かを取り残す、格差を助長するという社会を求めない。われわれが進める方向性は、こうした日本的なデジタル化であることをきちんと説明しておきたい。生まれたばかりの子供から高齢者まで、全ての国民にデジタル化の恩恵が届くことが目標」と力を込めた。

行政のデジタル化をけん引する「デジタル庁」の創設に向け30日には、内閣官房のIT総合戦略室に「デジタル改革関連法案準備室」(室長:平井担当相)が設置された。各省の職員約50人で立ち上げ、民間から10人程度を追加する。年内にデジタル庁設立に向けた基本方針を定め、来年の創設を見込む。

遠隔授業やデジタル教科書の基準の緩和については、中教審や教育再生実行会議での議論が進んでおり、萩生田文科相も「教育分野のデジタル化を進めるために必要となる改革については、果断に検討を進めたい」としている。

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