子供の虐待死 ネグレクトが身体的虐待を上回る

厚労省の虐待事例などの検証を行う専門委員会は9月30日、子供の虐待死に関する第16次報告書を公表した。2018年度に厚労省が把握した子供の虐待死は64例・73人で、前年度よりも6例・8人増加した。心中以外の虐待死のケースでは、今回初めて、身体的虐待よりもネグレクト(育児放棄)が人数・割合を上回った。

同報告書によると、18年4月1日~19年3月31日の1年間に発生または表面化した子供の虐待死は、心中が13例・19人、心中以外の虐待死が51例・54人だった。

心中によるものでは、死亡した子供の年齢は0歳が6人で、6歳、9歳、10歳がそれぞれ2人だった。加害の動機(複数回答)では、保護者自身の精神疾患、精神不安が6例・11人、育児不安や育児負担感が5例・7人だった。

心中以外の虐待死では、死亡した子供の年齢は0歳が22人で最も多く、1歳が6人、2歳と3歳がそれぞれ3人と続き、3歳未満が半数以上を占めた。一方で「不明」も12人と、これまでで最多となった。子供の死因となった虐待は、身体的虐待が23人、ネグレクトが25人、不明が6人で、今回初めてネグレクトが身体的虐待を上回った。3歳以上では11人中10人が身体的虐待によるものだった一方、3歳未満では31人中、身体的虐待が12人、ネグレクトが18人だった。

これらを踏まえ報告書では、子供の虐待死リスクとして留意すべきポイントとして、▽安全でない環境に子供だけを置いている▽子供が学校や保育所を不明確・不自然な理由で休んでいる▽社会的な支援、親族などから孤立している(させられている)▽関係機関が援助する過程で、転居や家族関係の変化が把握できていなかった――を新たに加えた。


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