学習履歴の利活用に向けた制度設計 日本学術会議が提言

GIGAスクール構想が実現した先にある学習履歴(スタディ・ログ)の利活用に向けて、日本学術会議はこのほど、具体的な制度設計の在り方などをまとめた提言を公表した。デジタル教科書の閲覧履歴やドリルの解答など、多面的のデータを解析することで、エビデンスに基づいた教育が実現できるとした一方、利活用の際の個人情報保護や、学習データの分析・利活用を専門とする「学習データサイエンティスト」の養成を課題に挙げた。

表:学習データの分類(※は匿名化が求められる情報)

提言では、1人1台の情報端末から学習支援システムなどを用いて蓄積される学習データについて、校務系データと授業・学習系データに分類(表参照)。その上で、それらのデータの利活用にあたっては、学習支援システムを提供する企業がデータを囲い込むようなことがないようにすること、国がデータを収集する際は▽個人情報保護に配慮して処理する▽個人を特定するような分析や地域、学校間の無用な比較に用いない▽データを利用した学習に関する提案を、学習者に押し付けてはならない――ことに留意すべきだとした。

また、データの円滑な利活用を進めるために、用語の統一やIDによる標準化を進め、実際の制度設計や運用面で、倫理的な配慮や悪用されないようになっているかを定期的に見直す第三者委員会の設置を提言。環境整備と並行して、情報モラル教育の充実や健康面の配慮も必要だとした。

さらに、学校現場でデータを利活用し、エビデンスに基づく教育を展開するには、データ分析を専門とし、教員をサポートする専門人材の育成が欠かせないとして、教員研修や大学における教員養成などでのデータサイエンス教育の充実や、学習データサイエンティストの育成が求められると強調した。

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