生徒が先生に花束と感謝贈る 教師の日で心の距離縮める

教師に感謝の気持ちを伝えるユネスコの「教師の日」にちなみ、東京都中野区の宝仙学園中学校共学部理数インター(富士晴英校長、生徒631人)で10月5日、教師に花束を贈るサプライズイベントが開かれた。花束を受け取った教諭は「この花に恥じないように、これからも頑張りたい」と誓い、3密は避けても、生徒らとの“心の距離”は縮めていた。

生徒から花束を受け取る担任の飛田教諭(右)

同校では毎年、生徒会が中心となって「教師の日」に合わせたサプライズイベントを企画。今年で4年目を迎えた。しかし、今年はコロナ危機の影響で準備に制約が生じ、恒例だった教師へのメッセージを寄せ書きした色紙づくりを断念。それでも教師の日として何かをやりたいと、生徒会が中心となってひそかに計画を進めた。

朝のホームルームが始まる前、教室では生徒会長の井口結登(ゆうと)さんが、生徒に向けて動画で教師の日を解説。「今日ぐらいは恥ずかしがらずに、先生に素直に感謝の気持ちを伝えてみよう」と呼び掛けた。

その後、1年E組では、教室に入った直後の雰囲気から、戸惑いの表情を浮かべる担任の飛田大樹(ひろき)教諭に、学級委員がカスミソウの花束を手渡し、感謝の言葉を伝えた。今年度に同校に新任として赴任したばかりだという飛田教諭は「初めて担任を受け持った生徒から、こんなことをしてもらえるなんて。花に恥じないようにこれからも頑張りたい」と気を引き締めた。

新型コロナウイルスの影響で新学期が始まっても学校が再開されず、6月20日までオンライン授業となっていた同校。飛田教諭は担任している生徒たちと直接顔を合わせることができないまま、教師生活をスタートさせた。

「オンライン授業では生徒の性格や授業の熱気がつかみにくかったが、学校が始まると、次第に笑顔も見えるようになり、一人一人をしっかり理解できるようになった。もっと生徒との距離を縮めて、できたことをちゃんと褒めて、伸ばしてあげる声掛けをしていきたい」と飛田教諭。

生徒会長としてZoomなどのオンラインツールも活用しながら、イベントを成功に導いた井口さんは「今年は1学期からずっとオンライン授業が続き、生徒も、先生がどんな人なのか、いつも以上に分かっていないようだった。だからこそ、今年は先生への感謝だけでなく、生徒と先生の交流を深めようという狙いもあった」と話す。

国内で教師の日の定着を目指して花束の提供などを行っている「『教師の日』普及委員会」によると、今年は教師の日に合わせて、都内10校以上で催しが行われるという。

教師の日を巡っては、自民党の文部科学部会が、学制が発布された9月4日を日本の「教師の日」とするよう文科省に提言。学制発布から150周年を迎える2022年に制定する方針を示している。

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