教員の専門性高める環境を 特別支援教育で有識者会議

特別支援教育の課題について検討している文科省の「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」はこのほど、第10回会合をオンラインで開き、特別支援教育における教員の専門性を高めるための研修や、免許制度の在り方などを議論した。

オンライン会議に出席し意見を述べる市川校長

会議では、特別支援教育を担う教員の専門性を高めるために、①全ての教員に求められる特別支援教育に関わる資質と研修②特別支援学級や通級による指導、発達障害に係る専門性の向上③特別支援学校教諭の教職課程④特別支援学校教諭の免許の在り方――を検討するべきとした。

「全ての教員に求められる特別支援教育に関わる資質と研修」については、特別支援教育に関わる教員の指標を定めている都道府県が7割程度で、発達障害と明記する自治体は1割にも満たない点などが課題に挙げられた。

それを踏まえ、特別支援教育の専門性を教員や管理職の育成指標に明確に位置付けるよう、国として働き掛ける必要があるとした。特に近年増加している発達障害ついては、「指標と関連付けながら、国の研究動向も踏まえた体系的な研修の実施を行うことが求められる」と指摘した。

「特別支援学級や通級による指導、発達障害に係る専門性の向上」に関しては、近年、特別支援教育が必要な児童生徒が増加し、障害種も多岐にわたる点を改めて強調。特別支援学級を担当する教員の、特別支援学校免許状の所持率が約3割にとどまっていることや、全国的に統一した研修プログラムなどが少ない点を課題に挙げた。

また専門性向上のために、新たな免許状を創設するべきとした意見があるとしつつも、児童生徒の障害種が多岐にわたるため、障害種別に免許状を創設した場合に人員配置が難しいなど懸念点があると指摘。その上で「発達障害に係る免許状を創設して、特定の教師に発達障害のある児童生徒の指導を任せるのではなく、全ての教師の発達障害に係る専門性の向上を図る方策を検討すべき」とした。

具体的には、国立特別支援教育総合研究所などによる効果的な研修プログラムの開発や、免許法認定講習を活用した特別支援学校の教職課程の、一部の単位の取得推奨などを提案した。

全国特別支援学校長会長で、都立あきる野学園の市川裕二校長は「専門性とは何かを具体的に示さなければならない」と強調。「文科省や教委が、発達や学習修得状況の把握ツール、知的障害の特性に応じた指導方法、学習指導要領の内容を踏まえた教科用図書、教材などをしっかり提供し、それらを使いこなせる力が特別支援教育を担う教員の専門性になるのではないか」と話した。

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