菅内閣初の経済財政諮問会議 オンライン教育が重点課題

政府は10月6日、菅義偉内閣にとって初めてとなる経済財政諮問会議を開き、新内閣の重点課題として、感染対策と経済活動の両立や、今後の政策運営について議論した。教育分野では、有識者議員がオンライン教育の推進や関連する規制緩和を重点課題に挙げた。具体的には、地方へのオンライン教育の普及、ICT環境が整っていない家庭への対応、教師のICTを活用した指導力の向上、デジタル教科書への早期切り替え――を列記した。

有識者議員が提出した、新内閣における経済財政運営と重要課題の提言では、「デジタル化・規制改革を一体としてスピード感をもって行うこと」「企業と企業、中小企業や地方への人の流れを作ることによって地域の生活の満足度を高め、地域経済の活性化、ひいては日本経済の力強い再生を実現させること」を目標に掲げ、「個別の具体的な問題に一挙に取り組むことが、マクロ的な成果につながり、成長戦略になる」と打ち出した。

教育分野では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特例措置として、文科省が小中高で休校中にICT教材や動画などを使った家庭学習を学習評価に反映するのを認めたことや、高校や大学でオンライン教育などによる単位や単位互換の上限を一時的に撤廃したことを評価。こうした特例措置の恒久化に向けて、速やかな検討を求めた。

さらに、新型コロナウイルス感染症への対応で明らかになった課題として、内閣府の調査を基に、塾や習い事での利用を含めた小中学生のオンライン教育の受講率が、東京23区で69%なのに対し、地方圏では34%となっており、地方ほどオンライン教育が普及していないことを挙げた。

また、文科省が8月末時点で集計した調査で、モバイルルーターの補助が予算化されているのに、ICT環境が整っていない家庭に対し、全国の3分の2の自治体が対応できていない実情が浮かび上がったとして、ICT環境が整っていない家庭への対応の早期実施を求めた。教師のICTを活用した指導力の向上も必要だと指摘した。

デジタル教科書については、紙の教科書からの早期切り替えを課題に挙げ、関連する規制緩和として、年間授業時数の2分の1未満とされるデジタル教科書の使用上限を見直すよう促した。

大学では、単独で必要な教員組織や施設などを備えることが原則とされているため、オンラインを活用した国内外の大学との単位互換や大学間での柔軟な連携などに制約がある、と指摘した。

経済財政諮問会議は、年末に向けて予算編成の基本方針を取りまとめ、一連の重点課題を来年度予算に反映させていく見通し。

《経済財政諮問会議が挙げた教育分野の重点課題》
  • 休校中の家庭学習を学習評価に反映する特例措置の継続が未定
  • 地方へのオンライン教育の普及
  • ICT環境が整っていない家庭への対応の早期実施
  • 教師のICTを活用した指導力の向上
  • デジタル教科書への早期切り替え
  • 年間授業時数の2分の1未満とされるデジタル教科書の使用上限の見直し
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