校内にクリエイティブラーニングスペース 新渡戸文化学園

教育の最上位目標を「ハピネスクリエイター(幸せをつくる人)の育成」と定義し、さまざまな授業改革に取り組む新渡戸文化学園(東京都中野区)に9月、クリエイティブラーニングスペース「VIVISTOP NITOBE」が出来た。現在は主に同小学5、6年生と中学生の図工・美術の授業で活用されており、このほど、5年生が取り組む同施設で使用する椅子づくりの授業が行われた。

椅子の模型を組み立てる児童たち

「VIVISTOP NITOBE」は、VIVISTOPを運営し無料で提供する企業「VIVITA」と、新渡戸文化学園が連携した取り組み。VIVISTOPとして国内3拠点目となり、すでに海外にある3拠点を含めても、初めて学校の中に作った。

同施設の開設に携わり、新渡戸文化小中学校で図工・美術を担当する山内佑輔教諭は「教室や教科、学年など、これまでの学校の仕組みを超え、先生も児童生徒もみんなで一緒につくる場として活用していきたい」と意気込みを話す。

同小の5年生が取り組む椅子づくりのプロジェクトは、9月からスタート。5~6人のチームごとに一脚ずつ、オリジナルの椅子を製作する。

9月上旬に行われた初回の授業では、VIVISTOPにどのような椅子があったら良いのかを、まず一人一人が考えた。机のサイズから椅子の高さを考えるなど、工作用紙を使って個性豊かなアイデアを形にした。

2回目の授業では、▽VIVISTOPの空間全体が狭くならない▽ここで作ったり、解体したりしやすい▽自分たち以外の人も使う――という3つのポイントを意識しながら、チームごとに1つのアイデアにまとめていった。

より良いものにするため、アイデアを練り直すチームも

それぞれにこだわりがあるため、なかなか意見がまとまらないチームもあったというが、山内教諭は「このプロジェクトでは椅子を作ることに加えて、チームで協働して作ることも大きなミッション」と話す。「意見が違う人とどう話し合って、チームとして一つの形にまとめていくのか。椅子づくりの過程で、コミュニケーションも大いに学んでほしい」と強調する。

この日行われた3回目の授業では、前回決めたそれぞれのチームのアイデアを、プロジェクトをサポートするVIVITAスタッフが模型図に落とし込み、レーザーカッターで切り出した木材を用意していた。

子供たちは切り出されたミニチュア版の木材を組み立てながら、自分たちのチームのアイデアが現実的に製作可能なものなのかを検証していった。「これは複雑過ぎて、実際に作るのは難しいかも」「荷物を入れるための引き出しがこの場所だと邪魔になる」「もう少し強度が必要かな?」などと、各チームは問題点を話し合っていた。

中にはデザインの一部変更を検討したり、一から作り直したりというチームも。うまくいかず、悩むチームがいくつかあったが、山内教諭やVIVITAスタッフは、決して安易な解決策は示さない。

「このプロジェクトは決して簡単なことではない。試行錯誤しながら、チームで納得がいくものを話し合いながら作り上げていくことが大切だ」と、山内教諭は児童に呼び掛けた。

発注書にはそれぞれのチームのこだわりが書き込まれていた

続く授業では、このプロジェクトに協力する高知県佐川町の「さかわ発明ラボ」とオンラインでつなぎ、つくりたい椅子の発注書や図面、模型を使って、子供たちが自分の言葉で説明しながら木材をリモート発注。

子供たちがこの日書いた発注書には、「収納できる」「肘掛に水筒置き場を作った」「コンパクトだけどリラックスできる椅子にしたい」「2通りの座り方ができる」など、それぞれの椅子のこだわりが書かれていた。今後、11月中の完成を目指して制作を続けていく。

同施設では、「VIVISTOP×英語」などの教科横断的な学びや、放課後の活用なども検討されているという。

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