「教育のニューノーマル」 教師の日にトークセッション

教育のニューノーマルと、教師の価値とは――。「教師の日」普及委員会が主催するイベントが10月3日、オンラインで開かれ、教育系YouTuberの葉一氏、NPO法人「カタリバ」の今村久美代表、NPO法人「Teach For Japan」の中原健聡代表が登壇し、Afterコロナ時代に向けた教育のニューノーマルの在り方と、その中における教師の存在意義や価値をどう見つめ直していくべきかについて、トークセッションを行った。モデレーターは同委員会の松田悠介代表理事が務めた。

教師の存在意義について語り合う登壇者

教育に情熱を持った人材を独自採用し、教員として学校に派遣するプログラムを展開している「Teach For Japan」の中原氏は「日本は教育機会の均等性はあっても、教育効果の公平性があるのかを考えると、そうとは言えないのではないか。今は、公教育に対して子供たちが適応しなければいけない状態で、適応できなければ不登校ということになる。それでは子供たちの自己肯定感も低くなるばかりだ」と指摘。

10代の自殺率も増加傾向にあるなど、生きる力を育むことと真逆の事実が生まれ続けてしまっている現状に対し、今こそ教育の本質を捉え直すことが必要だと訴え、「全ての子供が公教育に適応できる環境を整えなければいけないが、その全てを学校の先生が担うことは無理な話だ。さまざまな人が、さまざまな経路で、さまざまな特徴を生かして学校現場に入る。つまり学校現場への入職の多軸化を実現し、大人たちが協働する環境を整えていきたい」と展望を述べた。

子供たちに学びの場や居場所を提供する事業などを展開している「カタリバ」の今村氏は、コロナ禍で感じたこととして、「親子の関係が必ずしも良好とは言えない家庭もある中、学校があることの重要さを改めて感じた」と話した。

その上で、教師の存在意義や価値について、「これまでも学校は過剰に福祉機能を担ってきていたが、教育機能を持ったソーシャルワーカーとしての教師の役割はとても大きい。例えば今後、授業は動画を見てということができても、教師の福祉的な役割は絶対に残さなくてはならないのではないか」と語った。

コロナ禍で多くの教師から相談を受けたという葉一氏は「子供に選択肢を与えたくてYouTubeで動画を上げだしたが、今は先生にも選択肢を与えられるように動いていきたいと考えている」と説明。

たくさんのしがらみがあり、教師はやりたいことをやれない環境にあると指摘し、「先生たちがやりたい教育の選択肢が増やせるようなプラットフォームを作りたい」と力を込めた。

コロナ禍の学校現場へのエールとして、今村氏は「大きなチャンスがきている。コロナのおかげで、昨年までだったらやれなかったことができるようになるなど、先生たちがチャレンジした良い事例もたくさん出てきている」と現状をポジティブに捉えた上で、「もちろん、うまくいっていないこともあり、これまでの教育をいきなり変えていくのは難しいが、先生たちにはピンチをチャンスと捉えてほしい。変わっていこうとしている先生の数を増やしていきたい」とメッセージを送った。

また、今の流れを加速するために何を大切にするべきかについて、中原氏は「別の学校や都道府県の先生とつながるようなネットワークを持つべき。違う学校現場の事例を聞いたり、共に議論したりする中で、自分の目の前にいる子供たちのニーズや、ベストな手段は何なのかを問い直していくことが必要だ」と話した。

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