ドルトン東京学園で「起業ゼミ」 顧客ヒアリングに挑戦

起業に向けた実践的なスキルを身に付ける、中学生を対象にした探究型学習「起業ゼミ」の取り組みが、ドルトン東京学園中等部・高等部(荒木貴之校長、生徒241人)で行われている。このほど行われた第3回の授業では、中学生がアポイントを取り、顧客へのヒアリングに挑戦。自分自身が考えた事業アイデアの仮説を検証し、さらに企画を練り上げていく作業に取り組んだ。

顧客ヒアリングを行い、アイデアを検証する生徒

「起業ゼミ」は創業支援事業を行うガイアックスが協力。新しいビジネスアイデアを提案し、資金調達を経て起業するまでの一連の過程を、同社の社員がゼミを受講した14人の中学生に教える。この日は、それぞれの生徒が考えたビジネスアイデアについて、実際に顧客となりそうな人に事前にアポイントを取り、ヒアリングをする授業が行われた。

授業ではまず、ヒアリングの目的やポイントを確認し、同社の社員が実際にロールプレイングを実演。その後、生徒らは顧客に聞くべき質問事項を洗い出した。

社員らは「医者が患者に診察するようなイメージで、どんな症状があるかを聞くように、意見よりも行動や事実を意識して聞き出していこう」「相手が理由を言ってきたら、さらにその理由の背景についても深掘りしてみて」といったアドバイスを生徒に送った。

その後、生徒らはZoomを使ったり、学校の友達を呼んだりして、ヒアリングを実施。一通り終わると、生徒らは早速、自分の考えていた仮説と、実際にヒアリングで得られたデータを突き合わせ、アイデアの改善点を検討した。ゼミでは、この後の授業でもさらにヒアリングを繰り返し、プレゼンテーションに向けてビジネスアイデアをより洗練させていくという。

授業の最後に、ゼミを担当している木之下瞬教諭は「次の授業を待たず、熱が冷めないうちに自分からどんどんアポイントを取っていい」とハッパを掛けた。

中学2年生の堀内文翔(あやと)さんは、飲食店の混雑状況がリアルタイムに分かり、店側がクーポンを発行できる機能も備えたアプリを考案しようとしている。ヒアリングでは、父親が行きつけの居酒屋に話を聞き、経営者からアイデアに対する反応を探った。

ヒアリングのやり方について生徒にアドバイスするガイアックスの社員(左)

「クーポンについては、大量に仕入れてしまったときなどに利用者に訴求できると好評だった。ただ、混雑状況を把握する方法としてカメラの設置を考えていたが、これは客のプライバシーを考えると難しいということが分かった。サーモグラフィーに変えれば、この問題はクリアできそうだ。今度は、他店との競争が激しい繁華街の飲食店にも聞いてみたい」と堀内さん。

口元も分かる「透明なマスク」のビジネス化を考えている中学1年生の原田裕里さんは、教育関係者に需要があると考え、幼稚園の教員や大学の教員に電話でアポイントを取り付けた。

「小さな子供がマスクをしていると顔色が分からないため、熱中症のサインを見過ごすことがあるという話を聞けた。コロナ禍でいろいろな人がマスクを着けているからこそ、さまざまな見方を知る必要がある。マスクの素材のことも企業に取材してみたい」と手応えを話した。

ゼミは全8回の予定で、11月末には、ガイアックスの社員が事業継続費用5万円を出資するかどうかを審査するプレゼンテーションが行われる。

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