生徒会と学校内民主主義 高校生らがヒアリング

日本若者協議会は10月14日、生徒会活動を経験した全国の高校生や大学生らで構成する「学校内民主主義を考える検討会議」の第4回会合をオンラインで開き、子どもの権利条約を研究する喜多明人早稲田大学名誉教授と、学習指導要領の改訂に関わった文科省の合田哲雄科学技術・学術総括官から、生徒会活動の課題や今後の位置付けについてヒアリングした。

子どもの権利条約の観点から、生徒会活動の課題を話す喜多教授(Zoomで取材)

検討会議の議論が一般に公開されたのは今回が初めてで、検討会議ではヒアリングを踏まえ、年明けまでに「学校内民主主義」の在り方に関する提言を取りまとめる。

国連の子どもの権利条約の国内での浸透に長年取り組んでいる喜多教授は、子供の意見表明権など、「参加」の視点が取り入れられた子どもの権利条約の意義を解説。「実際の日本の学校で、子供たちが参加できるような民主主義的な会議の場をつくることが可能だろうか。教職員と生徒の関係が、民主主義的な議論ができるようになっているかが問われる。教員は指導する側で、決して生徒と対等だとは考えていない」と問題提起。フランスなどで行われているような、生徒、保護者、教職員、地域住民が学校運営に参画する制度にしていく必要があると提案した。

合田総括官は、ポストコロナ時代における教育は一斉授業か個別学習か、履修主義か修得主義かといった二項対立の発想から脱却し、人工知能や特定のリーダーに全てを丸投げするのではなく、異なる価値や考えを持つ多様な他者と、当事者意識をもって対話し合意形成する、自立した人間を育てていくことが重要になると強調。

その具体例として、工藤勇一横浜創英中学・高等学校校長が前任校の東京都千代田区立麹町中学校で実践した、生徒が主体となった制服の見直しなどを例に挙げながら、各学校が学習指導要領をどう使いこなしながら、生徒も教員も当事者意識を持って学校の「当たり前」を見つめ直す活動ができるかがポイントになるとした。

合田総括官は「未来社会がこうなるとは、もう誰にも言えない。未来社会は皆さんが作っていくしかない。複雑な課題から逃げず、さまざまな人と対話をして、どうやって解決策を見つけていくか。『学校内民主主義』という発想が、持続可能な社会に必要な要素になると思う」と検討会議の今後の議論に期待を寄せた。


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