免許更新制「問題根深い」 教員養成部会で厳しい指摘

中教審の初等中等教育分科会教員養成部会は10月15日、第117回会合をオンラインで開き、導入から10年を迎えた教員免許更新制の在り方について議論した。委員からは「現場からは、費やす時間や労力に比べ、役に立っていないとの声が多い」「廃止を検討できるのではないか」など厳しい意見が相次ぎ、座長の加治佐哲也兵庫教育大学長は「問題はかなり根深い」とさらなる検討の必要性を強調した。

アンケート結果を報告する岐阜県教委の古田義務教育総括監

会合では岐阜県教委が、県内の41市町村教委、公立高校と特別支援学校87校を対象に実施したアンケート結果を発表。

それによると、免許状更新講習が学校の教育活動に役立っているか尋ねたところ、「強くそう思う」と回答したのは教委、学校共にゼロ。一方で、「あまりそう思わない」または「そう思わない」が29教委・60校と、教委、学校共に半数を上回った。他の12教委・27校は「だいたいそう思う」だった。

さらに免許状更新講習が教員の負担になっているかについて、「強くそう思う」または「だいたいそう思う」が38教委・79校と大半を占めた。時間の制約や申請手続きを要因に挙げる回答が目立った。

これらの結果を踏まえ、同県教委の古田秀人義務教育総括監は、教員免許更新制について一定の効果はあるとしつつも、「それに伴う負担が大きいことを鑑みれば、法定研修の充実などと合わせて、廃止を検討するべきではないか」と意見した。

委員からは、教員の負担と免許状更新講習の効果とのバランスが取れていない点や、講習の人気に偏りがあり、希望通りに受講できない教員が多い点、教員免許更新制が人材確保の足かせになっている可能性などについて指摘があった。

全連小会長の喜名朝博東京都江東区立明治小学校長や、全高長会長の萩原聡都立西高校長が「現場の教員はまとまった休日を取るのも難しい中で、内容よりも日程ありきで講習を選ぶしかない」「講習の在り方が、教員のニーズに合っているか疑問が残る」などと、現場の実態を報告。オンラインの活用や求める単位数の削減、教委主催の研修との互換を促進するなど、柔軟な対応を求めた。

一方で、廃止や見直しについて慎重に検討する必要があると指摘する声もあった。Teach for Japanの松田悠介理事は「講座の質や教員の多忙化、教員確保など、それぞれの論点を切り離して検討する必要がある」と強調。さらに免許状更新講習のニーズについて、年代別に結果が異なる可能性を指摘し、詳しく調査するべきだと述べた。

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