10代男女「体格向上、筋力増えず」 前回五輪時と比較

前回の東京五輪が開催されたころと比べ、日本の子供たちは体格が立派になったのに、それに見合う体力が伴っていない――。スポーツ庁が10月18日に発表した昨年度の体力・運動能力調査によると、10~19歳の男女の身長、体重、握力について、1965(昭和40)年度と2019(令和元)年度を比較したところ、身長と体重はいずれの年齢でも大きく向上しているが、握力は15歳以降で当時の記録を下回っていることが分かった。一方、運動・スポーツの実施率では、小中学生の女子で「していない(しない)」の割合が大きく減少しており、男子、女子ともに気軽にスポーツを楽しめる環境が整備されている現状が浮かび上がった。

 

同調査は昨年5~10月、6~79歳の計7万4194人を対象に、学校区分や年齢別に握力や上体起こしなど最大9種目をテストし、6万2936人から結果を回収した。回収率は84.8%。今年は東京五輪・パラリンピックが予定されていたことから、結果を前回の東京五輪の時期と比較した。

それによると、2019年度の身長と体重は、10~19歳の男女共に全ての年齢で1965年度を大きく上回った。しかし、握力は、2019年度では男女ともに15歳以降の発達が緩やかになり、1965年度の記録を下回った。

例えば、13歳でみると、男子は身長が9センチ近く高くなり、体重は6キロあまり重くなった。女子も身長が5センチ近く高くなり、体重も4キロ近く増えている。16歳では、男子は身長が5.5センチ以上高くなり、体重は5キロ近く重くなった。女子も身長が4センチ近く伸び、体重は2キロ以上増えている。

それに対し、握力をみると、13歳では男子が1キロ強、女子が0.1キロあまり、それぞれ増えた。ところが、16歳では、男子が2キロあまり減り、女子も0.5キロ減った。

55年前よりも体格が大きくなったのに、握力の記録が下がった理由について、内藤久士・順天堂大大学院研究科長は「体格が良くなっているのだから、もっと体力も良くなってもいいはずだが、そうなっていない。握力が落ちたのは、ライフスタイルの変化が影響しているかもしれない。思い切り力を入れる機会が少なくなっているのではないか」と指摘した。

一方、10~19歳の運動・スポーツ実施率をみると、2019年度の「していない(しない)」の割合は、1968年度と比較して男女共に全ての年代で減少している。特に小中学生の女子での「していない(しない)」の割合が大きく減少した。11歳女子では1968年度には「していない(しない)」の割合が46.4%だったが、2019年度には5.3%に激減。13歳女子でも1968年度の38.2%が、2019年度には5.9%に大きく減った。

この結果について、スポーツ庁では「競技性の高いスポーツだけでなく、誰もが気軽にスポーツが楽しめる環境が増えている」と分析している。

今回の調査では、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛などの影響は反映されていない。

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