「少人数学級で全て解決はしない」 教育再生実行会議WG

ポストコロナ期のニューノーマル(新たな日常)における、新たな学びの在り方を検討している政府の教育再生実行会議・初等中等教育ワーキング・グループ(WG)は10月21日、第3回会合を開き、感染症対策や、ICTの本格的導入のための指導体制と環境整備などについて議論した。

ICT導入のための指導体制と環境整備などを議論する有識者ら

会合後に記者会見した内閣官房教育再生実行会議担当室の池田貴城(たかくに)室長によると、登壇した天笠茂千葉大学特任教授から「少人数学級を基本的には進めるべきだが、それだけで全てが解決するわけではない」として、少人数指導や教科担任制、外部人材の活用、教員の働き方改革など多方面からのアプローチで、きめ細かな指導の実現を進めるべきだとする報告があった。

全体として、少人数による指導を充実させるという方向性について有識者から異論はなかったものの、「少人数学級と少人数指導を分けて考えるべき」「現職の教員もICT活用能力、ファシリテーション能力の向上を図る必要がある」「学校として組織的に教育活動を進めていくには、校長のマネジメントが重要だ」といった意見が出されたという。

また、埼玉県和光市の松本武洋市長からは「少人数学級を一律に進めるのではなく、地域の実情を考慮して整備を進めるべきだ」という意見があったという。他の委員からは「財政の問題も考慮すると、都市部など1学級当たりの児童生徒数が多い地域から優先的に進め、過度な財政負担にならないよう考慮すべきだ」という指摘もあった。

少人数学級の整備を進める上での教員の確保についても、「採用倍率が下がっている中、急激に採用人数を増やすと教員の質が担保できない可能性がある。計画的に進めることで、よりよい教員が採用できるのではないか」という意見が複数の委員から出たという。

同WGは来年5月をめどに議論の取りまとめを行うが、少人数学級に限っては9月の概算要求で、具体的な金額を盛り込まない「事項要求」としたことから、年末の予算編成に向けて12月上旬をめどに、上位組織の教育再生実行会議として議論を取りまとめる予定。

9月8日の初会合で取りまとめた合意文書では「少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備や関連する施設設備などの環境整備を進める方向」としているものの、少人数「学級」なのか少人数「指導」なのかといった整理がまだ明確でないため、今後の意見交換を通して、方針の具体化を図る。

その上で、「具体的にどういう形で(少人数による指導体制の整備を)進めるかは、財務省などとの調整を経て、年末の予算編成時に決まる」と池田室長は説明した。

次のニュースを読む >

関連
関連記事