「高校の卒業時期も柔軟に」 全国知事会が提言

ポストコロナ時代の新しい学びの姿を検討している、中教審の初等中等教育分科会「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」は10月22日、第15回会合を開き、全国知事会の文教環境常任委員会委員長である阿部守一長野県知事に、公立高校設置者という立場からのヒアリングを行った。阿部知事は高校改革の一つに「現状3年とされている標準的な修業年限を、生徒の能力や希望により柔軟化していくこと」を挙げた。

中教審の特別部会で提言する阿部守一長野県知事

阿部知事はコロナ禍による臨時休業が長期化する中、秋季入学の議論が活発化したことに触れ、「大学ではすでに秋季入学を取り入れているところもある。小中学校を含めて一律で秋季入学を導入するよりは、高校での画一的な卒業時期を見直す方がいいのではないか」と問題提起した。

その前提として、高校を「個別最適化された学びの場としていくことが大変重要。高校教育ではできるだけ、地方や学校現場の自由度を高めてほしい」と訴え、「学習指導要領では教科・科目ごとに標準単位数が定められているが、各学校が極力、柔軟に教育課程を編成できるようにしてほしい。現場も含め、主体的な検討が進められるのではないか」と指摘した。

さらに、「在学する学校外における学修の単位認定についても、36単位を上限とする現行の制度をより柔軟化することが望ましい」と強調。学校と地域との連携などを含め、多様な学びを進めるべきだと述べた。

高校におけるICT活用についても触れ、「高校もGIGAスクール構想を進めていかなければならないが、家庭にIT環境がない生徒が取り残されることがないように」と配慮したほか、「学びに追い付くのが難しい生徒にとって、オンライン教育は格差を生じさせる懸念もある。オンライン教育の有効性について効果測定を行うなど、エビデンスに基づいた対応が必要だ」と慎重な見方を示した。

ただ同時に、都市部と農村部の学校がオンラインで連携する、海外との交流を促進するといった取り組みで、生徒の視野や視点を広げる可能性についても示唆。「こうした学校間連携については国が先導してほしい」と要望した。

阿部知事はまた、全国知事会が今月9月に「これからの高等学校教育のあり方研究会」を設置したことを報告し、「方向性が出てきたら中教審、文科省にも提言を行う」とした。

中教審は10月7日に取りまとめた中間まとめ「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの実現~」について、引き続き関係各所へのヒアリングを行い、11月中旬から答申素案の検討に入る。

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