教育課程部会がまとめ素案 「個別最適」巡り議論も

中教審の教育課程部会は10月23日、第121回会合を開き、これまでの審議に関するまとめの素案を提示した。初等中等教育分科会で同7日に取りまとめた中間まとめの中心的なテーマである「個別最適な学び」と「協働的な学び」などについて、これまでの議論を整理した。ただ、このフレーズが意味するところについて共通した理解が難しいという問題意識から、より伝わりやすい定義を探り、共通理解を促すための議論を有識者らが繰り広げた。

議事進行を行う天笠茂・教育課程部会長(千葉大学特任教授)

素案では▽「個別最適な学び」と「協働的な学び」▽各学校段階を通した資質・能力の育成▽補充的・発展的な学習指導▽カリキュラム・マネジメントの充実に向けた取り組みの推進――といった大きなテーマごとに整理。

「個別最適な学び」については「これまでも『個に応じた指導』が重視されてきた」としながらも、GIGAスクール構想で1人1台端末という有効な手段を得たこと、社会の変化が加速度を増し、複雑で予測困難なものとなる中、学習者の視点から学びを考えることの重要性が高まっていることなどから今後、取り組みを進める意義を強調した。

また学校ならではの協働的な学び合いや、実社会に関わる課題を主体的に解決しようとする探究的な学びを通じて、持続可能な社会の創り手として必要な資質・能力を育成する「協働的な学び」も重要だとし、「個別最適な学び」と相互に組み合わせることの必要性も指摘した。

一方で、こうした「個別最適な学び」と「協働的な学び」については、埼玉県戸田市教委の戸ヶ﨑勤教育長が「学校長から意見を聞いてみたところ、○○化、○○的という言葉が多くてけむに巻かれているようだ、具体的にイメージできないという声があった。これらの言葉が教委や学校現場で腹落ちして、実践に結び付くことが何より大切だ」と指摘した。

この課題について、桐蔭学園の溝上慎一理事長は先行研究などを踏まえ、「個別最適な学び」を「個別」と「最適」に分けて「personalized and self-regulated learning」と英訳することで定義を試みた。さらに日本語では「個別な学びを踏まえて自己調整学習を行うこと」と整理した。

千葉大学の貞広斎子教授は「部会の中でも統一的な共有がなされているか、これまでやや不安だったが、英訳というアプローチでようやく腹落ちして納得した。機器などの発達があってこそ、より高度な学びは実現するが、だからこそ教師の専門的な支援と子供の自己調整された学びが必要であるということが伝わった」と応じた。

ただ「英訳の助けを借りないとしっくりこないということは、残念ながら『個別最適な学び』というフレーズでは、説明力も推進力も、賛同者を募るという面でも十分ではないということを示してしまった。現場の先生に伝える際には、言い回しや説明に工夫が必要だ」と指摘した。

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