部活動改革でスポーツクラブ産業育成 経産省が研究会

部活動改革が叫ばれる中、経産省はこのほど、「地域×スポーツクラブ産業研究会」の初会合を開き、部活動などの地域スポーツの活性化に乗り出した。これまで教員や地域住民によるボランティアを主体としていた地域スポーツの課題を踏まえ、子供から高齢者まで、対価を払って質の高い指導を受けられるスポーツクラブ産業を育成することで、地域経済の成長の核にしたいという。

同研究会では、▽スポーツクラブ産業が地域の学校体育施設、社会体育施設の指定管理や更新投資に参画することで、質や稼働率の向上につなげる方策▽アスリートのセカンドキャリアや教員の兼業も含め、専門の指導者が対価を得て指導に当たれる環境づくりに向けた課題▽家庭の経済的な事情によって、子供がスポーツする機会の不平等が生じないようにするための対策――などを検討する。

座長には間野義之早稲田大学スポーツビジネス研究所所長が就任し、委員には、有坂順一コナミスポーツ代表取締役社長や、世界陸上選手権銅メダリストの為末大Deportare Partners代表取締役CEOら、スポーツ関係者が多数。スポーツ庁や日本スポーツ協会などもオブザーバーとして加わる。研究会は月に1回程度のペースで開催され、来春をめどに報告書を取りまとめる予定。

経産省の担当者によると、非公開で開催された初会合では、研究会の目的や部活動の現状について共有が行われた後、それぞれの委員が課題について発言。部活動に関しては「体育施設が学校に設置されているのは日本の強みである一方、諸外国では学校でのスポーツも民間施設を借りたり、委託したりしていて、学校の中に閉じていない。恵まれた環境をどう有効に活用して地域に開放するかが課題だ」「部活動の縮小は不可避な状況で、スポーツを地域で行うようにしたとき、部活動がないならば、わざわざ地域でスポーツをしないという子供も出てくるのではないか。そうした子供をいかにスポーツのできる環境につなぎ留めるかも重要だ」などの意見が交わされたという。

同省では、少子化により学校単位での部活動の存続が困難となっていることや、指導の質のばらつき、教員の働き方改革の観点から、部活動改革の一環として、対価を払って質の高い指導や練習環境、コミュニティーを提供できるスポーツクラブ産業を全国各地で浸透させていく方針を示し、総合型地域スポーツクラブも含めた持続可能なスポーツクラブ産業の課題を洗い出す目的で同研究会を立ち上げた。こうしたスポーツクラブ産業が地域に根付けば、生涯スポーツの環境整備にもつながり、地域住民の健康増進など、社会課題の解決につながる可能性もあるとしている。


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