コロナで初任研の充実を 教員志望の4割、教育新聞調べ

コロナ禍により教育実習が十分に行えなかった学生が多い状況を踏まえ、教員志望の学生の4割が、来年度以降の初任者への配慮として、初任者研修の充実を求めていることが、教育新聞が実施したアンケート調査で10月26日までに分かった。初任者を学級担任や部活動顧問に充てないようにするなどの配慮についても、3割の学生が支持した。

同調査は9月7~16日に、教育新聞を「学生割引」で購読している読者に対して、ウェブアンケートへの協力を依頼。教職課程を現在、履修中の学生ら143人から回答を得た。詳報は10月27日電子版の「クローズアップ」で配信する。

教員採用にあたって教育委員会や学校に求めたい配慮

アンケートで、教員採用に当たって教育委員会や学校にどのような配慮を求めるかを聞いたところ、その内訳は▽初任者研修の一層の充実 43.4%▽学級担任や部活動顧問には充てないなど、初任者に対する校務の負担軽減 27.3%▽学校への学習指導員やボランティア活動など、教育実習に代わって学校現場を体験する機会の提供 15.4%▽採用試験での教育実習未経験者への配慮 11.2%▽その他 2.8%――だった。

学生から寄せられた自由記述を見ると――。

「5月にやるはずだった教育実習が新型コロナウイルスの影響で延期となったので、教員採用試験の面接で教育実習の経験が話せなかった」(出身の公立中学校で実習を行った南関東の私立大生)、「来年度に教育実習を控えているが、コロナの影響で実施ができなくなった場合、教員採用試験に影響が出るのではないかと不安だ」(南関東の私立大生)など、教員採用試験で教育実習を経験していないことが不利に働くのではないかと不安な声があった。

また、教育実習を経験しないまま教員になることについて、「大学教育の不充実や実習の不十分さがもたらす教員としての質の低下(が懸念される)。教員として十分な知識や経験を得られない状態で現場に立つことで児童生徒の成長や学習にも大きく影響してしまうと思う」(南関東の私立大生)、「現在、学校生活支援員として小学校で働きながら、教員を目指している。支援員としての経験と、今の教育実習での経験があるからこそ、教員免許を取得することができた際には、ある程度の希望と覚悟を持って仕事ができると思う。しかしながら、新卒経験なし、教育実習もなしで現場にいきなり出されてしまうことは、本当に想像するだけで恐ろしい。現場の先生は、自分の仕事に精いっぱいで、新人を助ける余裕のある先生に出会えたら幸運だが、出会えないことの方が多いかもしれない。教育委員会はこの現状をしっかりと理解して、新卒経験なし実習なしの初任には『学級担任をさせない』などの配慮をお願いしたい」(公立中学校で教育実習を行った都内の私立大学生)などの指摘もあった。

さらに、教員志望者が多く在籍している一部の大学からも配慮を求める声が挙がっている。教育新聞からの質問に対し、いずれも文書で、「教育実習を通して十分に養成されなかった採用学生については、副担任を経験してから担任にする、来年度4月から担任として勤務する場合には校内にスーパービジョン(経験の豊かなスーパーバイザーによる、主に経験の浅い対人援助職者に対して行われる教育プロセス)体制を敷くなどの配慮を求めたい。同時に、授業づくりや学校運営に関する初任者研修に力点を置き、教育実習で十分に育成できなかった実践力を採用された教員が身に付けられるような配慮を求めたい」(千葉大学)、「教育実習期間が短い学生や、教育実習そのものができず代替措置を行った学生が、いきなり担任になることを避けるか、ベテランの教員を補助に付けていただけるように配慮を願いたい」(明星大学)といった回答が寄せられた。

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