厚労省が成育医療の方針素案 妊娠・出産の教育を学校で

新生児から大人になるまでの成長過程での、切れ目のない支援の提供をうたった成育医療基本法を巡り、厚労省の成育医療等協議会は10月30日、第5回会合をオンラインで開き、同法に基づく政府の基本方針の素案について大筋で合意した。男女を問わず、妊娠や出産の正しい知識に学校教育段階から触れることや、個人の健康情報を本人や家族が一元的に把握できるようにするため、乳幼児期・学童期の健康診断や予防接種の情報の、電子化・標準化(PHR)を進めることなどが盛り込まれた。

素案について大筋で合意した厚労省の成育医療に関する協議会の第5回会合(YouTubeのライブ配信)

素案では、少子化の進行や10代での予期せぬ妊娠への懸念、児童虐待の増加など、子供や子育てを巡る課題を踏まえ、医療、保健、福祉、教育などの幅広い分野での成育医療に関する施策を体系化した。

子供の保健に関しては、乳幼児から学童期、思春期まで、切れ目のない健診の実施体制の整備に向けた検討を行うとしたほか、聴覚や視覚の障害を早期に発見し、支援につなげていく必要性を強調。保育所や幼稚園、学校での子供のアレルギー対応の推進も明記した。

さらに、男女を問わず、人間の多様性を尊重しつつ、妊娠・出産の希望を実現するため、妊娠や出産に関する医学的・科学的に正しい知識の普及・啓発を学校教育段階から推進することや、思春期の人工妊娠中絶、性感染症の問題に対応するため、学校や保健所で健康教育や電話相談など、性に関する科学的知識の普及を図ることを盛り込んだ。

子供の性暴力被害では、心のケアを含めた適切な保護や支援を受けられる体制を整備するとし、2022年度までを集中強化期間に位置付け、子供の性被害防止に向けた取り組みを強化するとした。

また、個人の健康情報を本人や家族が一元管理できるようにするため、乳幼児健康診査や学校での健康診断、予防接種などの記録の電子化・標準化を推進することや、子供が死亡した際にその原因を複数の機関や専門家が検証し、効果的な予防対策につなげるCDR(Child Death Review)の体制づくりなどもうたった。

素案は会合での議論を踏まえて文言修正を加えた後に取りまとめられ、それを基に政府の基本方針として閣議決定される。

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