菅首相「働く人のスキルに変化」 リカレント教育を推進

衆議院予算委員会が11月2日開かれ、第203臨時国会での論戦が本格的にスタートした。菅義偉首相は「デジタル化やAI(人工知能)などが、働く人に求められるスキルを急速に変化させている」とした上で、「リカレント教育を推進することで、個人に求められる能力、スキルを身に付けられるように支援していきたい」と述べ、社会人の学び直しに向け、リカレント教育に力を入れる考えを示した。また、萩生田光一文科相は「令和の時代のスタンダードとしての学校 ICT 環境を早急に実現」するとして、ICT指導員の養成研修の充実など「ハード、ソフト、人材を一体とした整備を進めていきたい」と答えた。

衆院予算委で答弁する菅義偉首相(衆議院インターネット審議中継より)

この日の衆院予算委では、下村博文・自民党政調会長(元文科相)が質問のトップバッターを務め、新型コロナウイルス感染症対策と経済の両立などについて、菅首相をはじめ閣僚の見解をただした。教育関連は、菅内閣が掲げるデジタル社会への対応に絡めて取り上げられた。

菅首相は、デジタル庁創設と関係省庁からの関連施策の権限委譲について、「役所に行かなくても、あらゆる手続きができる。地方に居ながら、都会と同じような生活ができる。こうした社会の実現を目指し、官民のデジタル化を加速していく。そのため、行政の縦割りを打破して、大胆に規制改革を断行する突破口として、デジタル庁を創設する。社会全体のデジタル化に責任を持って取り組むため、各省庁が持っている権限を含めて、(デジタル庁に)権限をしっかりと付与していきたい」と述べ、デジタル関連予算の一元化や抜本的な人員数の確保に取り組む考えを改めて説明した。

これに対して、下村氏は、デジタル化の進展によって多くの雇用がAIなどに置き換えられ、デジタル社会に対応した能力を持つ人材の育成が求められている、と指摘。

菅首相は「デジタル化やAIなどが、働く人に求められるスキルを急速に変化させている。技術革新と産業界のニーズに合った能力開発を推進していく必要がある」と、労働市場の環境が急速に変わってきているとの認識を表明。この対応策として「高度なスキルの習得も含めて、個人の学びを促進するための教育訓練給付金制度による支援、さらには企業による人材育成を支援するための助成、こうしたものを通じてリカレント教育を推進することで、個人に求められる能力、スキルを身に付けられるように支援していきたい」と説明し、政府による支援や助成を行いながら、リカレント教育を推進していく考えを強調した。

また、GIGAスクール構想による学校のICT環境整備について、下村氏は「日本全国で漏れなく、スピード感あふれる環境整備や人的支援が求められている」と述べ、文科省の対応を聞いた。

萩生田文科相は「GIGA スクール構想の実現を確実なものにするためには、端末を配って終わりではなくて、通信費をどうするかなどの新たな課題も当然付いてくる」と、端末整備の次のステップへの対応が重要との見方を示した。

続けて、「まずは各自治体が安価でかつ円滑に学校 ICT 環境整備し、きちんと維持できる管理体制というものを作るための支援。それから独立行政法人教職員支援機構における、各地域での ICT 活用に関する指導員の養成研修の充実。また各教科等の指導における ICT の効果的な活用に関する参考資料、解説動画の作成や提供などについて、積極的に取り組んでいきたい。『令和の時代のスタンダード』としての学校 ICT 環境を早急に実現し、ハード、ソフト、人材を一体とした整備を進めていきたい」と説明した。

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