全国1000カ所に現代版寺子屋 プロジェクトがキックオフ

地域の教育格差を解消しようと、現代版の寺子屋を全国展開するプロジェクト「あしたの寺子屋創造プラットフォーム」(船橋力代表)は11月4日、オンラインによるキックオフイベントを開き、メンバーの課題意識や寺子屋の理想像を語り合った。プロジェクトでは、人口3万人以下の地域を対象に、放課後に子供や大人が集まり、さまざまな学びのコミュニティーとなる「寺子屋」をつくる活動を支援。全国1000カ所を目標に掲げ、オンラインを活用したネットワーク化も視野に入れる。

「あしたの寺子屋」の理想を語る船橋代表(Zoomで取材)

人口の少ない地域では、過疎化の進行により地域の衰退に歯止めがかからず、社会教育施設や学習塾をはじめとする学びの場を十分に確保できないことが多い。プロジェクトでは、これらの課題に対応するため、そうした地域に暮らす希望者が手を挙げる形で、子供たちがオンライン教材で学習したり、さまざまな大人と交流したりする「寺子屋」をつくり、教育格差の解消や地域課題の解決につなげることを狙っている。設立資金などを支援するほか、「寺子屋」同士のつながりも重視しており、運営ノウハウの共有や講師の紹介など、全国的なネットワークの構築にも取り組む考えだ。

中心メンバーには、水谷智之地域・教育魅力化プラットフォーム理事・会長や本間正人京都芸術大学副学長、大谷真樹インフィニティ国際学院長ら、教育のイノベーターが多数参画している。

この日のキックオフイベントでは、水谷氏が、島根県をはじめとする全国の高校で取り組んでいる地域留学の成果を踏まえ、「地域に根差した高校の生徒は、『みこしの担ぎ手がいない祭りをどうやって復活させるか』など、手触り感のあるテーマでのPBL(Project Based Learning)に取り組んでいる。そういう活動をしている生徒は『自分たちで未来は変えられる』と考えるようになる」と説明。「こうした高校では、コーディネーターと呼ばれる職員がいて、地域と高校生をつなげようとしてくれている。そういう人たちにも寺子屋を経営してほしい」と期待を込めた。

また、本間副学長は「先生がティーチングするのではなく、学校や地域のありとあらゆるものから子供たちが学ぶことが求められている。学びが社会から切り離されたものではなく、あらゆるものを学習と捉えて、大人も子供も一緒に考えて一緒に学べる。寺子屋はそういう場になればいい」と述べ、地域で大人と共に子供が学ぶコミュニティーの重要性を強調した。

文科省の海外留学促進プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」のプロジェクトリーダーを務めた船橋代表は「まずはモデルケースを作って横展開することも考えたが、なるべく早く広げた方が社会へのインパクトも大きいと考え、全国1000カ所という目標を打ち上げた。壮大なチャレンジになる。寺子屋の代表者には、こちらからノウハウをフランチャイズするのではなく、その地域でやりたいことをやってもらいたい。仲間を増やしていけたらうれしい」と、参加者に賛同を呼び掛けた。


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