ポストコロナの学校像「ICT活用と少人数指導は両輪」文科相

萩生田光一文科相は11月5日、参院予算委員会で自民党の上野通子(みちこ)議員(前文科副大臣・元高校教員)からウィズコロナ、ポストコロナの学校教育について問われ、「ICTの活用と少人数による指導体制を車の両輪として、『令和の日本型学校教育』の構築に全力で取り組みたい」と意欲を見せた。

答弁する萩生田光一文科相(参議院インターネット審議中継より)

上野議員は今回のコロナ禍で「学校現場のデジタル化が、世界的にも遅れていることを実感し、令和のスタンダードとして教育のデジタル化を円滑に導入していく必要性を誰もが感じた」と指摘。今年度以降、新学習指導要領の全面実施が進むことも踏まえ「日本の学校教育の大転換期が今だ」として、見解をただした。

これに対し、菅義偉首相は「どのような家庭に生まれても安心して教育を受けられる環境において一人一人の多様な個性や能力を最大限伸ばしていくことが必要。特にデジタル社会の進展を見据え、1人1台のICT端末を活用し、オンラインと対面による教育の良さを組み合わせながら、それぞれの子供に最適な教育を実現することが重要であり、教育再生実行会議において議論を深めていきたい」と答えた。

続いて、上野議員は「4610億円を投じたGIGAスクール構想を一過性の施策に終わらせるわけにはいかない。財源、時間、人材という教育にとって最も大切な資源の徹底的な見直しと再配分が必要ではないか」と述べ、1人1台環境の維持に向けた地方財政措置の見直し、教科横断型の探究学習に必要な授業時間の確保、多様な人材を呼び込むための教員免許制度の改善などを提言。さらに教育のデジタル化と感染対策を踏まえ「一番必要なのは段階的、計画的に30人学級などの少人数学級への取り組みを進めることだ。過疎地などでは30人以下のクラスも多々あるが、都会ではまだまだ30人以上で、密になったまま授業を行っているところも多い」と訴えた。

萩生田文科相は「高校生も含め、全ての子供たちに対するICT環境整備は急務」として、GIGAスクール構想の対象でない高校についても環境整備を進める意向を表明。ただし、高校では職業科などを含めて専門性が高まることを踏まえ、「同スペックの端末を1人1台配ればよいということではなく、子供たちに合ったものを整備していく必要がある」と述べ、具体的な整備内容を検討する考えを示した。

また、少人数学級については、ICTを活用した個別最適な学びや感染対策を踏まえ、「現場からの少人数学級の効果や必要性の声は大きくニーズは高いものがある」と応じ、1人1台端末を使ったきめ細かな指導を行い、教育のさらなる質の向上を図るため、少人数による指導体制の実現に取り組む姿勢を強調。その上で、「ICT の活用と少人数による指導体制を車の両輪として、『令和の日本型学校教育』の構築に全力で取り組んでいきたい」と答弁した。

梶山弘志経産相は、同省が2018年から実施する「『未来の教室』実証事業」について「今年度は成果を全国に普及させるため、全国小中高の12%に当たる4303校の学校を対象にしたEdTechの試験導入を実施するとともに、中高生に向けたSDGsなどの社会課題を題材に63テーマのSTEAM学習コンテンツを開発し、来年3月には公開をする予定」と説明。文科省や学校現場、産業界と連携した教育改革に取り組む考えを示した。

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