武蔵野大学(西本照真学長)は11月9日、記者会見を開き、日本初の起業家精神の育成を目的とした「アントレプレナーシップ学部」を、来年度から開設すると発表した。実際に企業経営をしているビジネスパーソンが実務家教員として多数参画。学部長には、伊藤羊一Yahoo!アカデミア学長が就任する。

新学部はアントレプレナーシップ(起業家精神)を「高い志と倫理観に基づき、失敗を恐れずに踏み出し、新たな価値を創造していくマインド」と定義。実践科目を中心に、自分の思いを社会的な課題解決につなげる事業にするために必要なスキルやマインドを身に付け、行動に移すことを目指す。
教員には、学部長就任予定の伊藤氏をはじめ、井上浄リバネス代表取締役副社長CTO、篠田真貴子エール取締役ら、ベンチャー企業やNPOの運営、人材開発に携わるビジネスパーソンが実務家教員として着任する予定で、1学年60人という少人数教育によって、学生の活動を支援する。
また、1年生は専用の学生寮で共同生活を送りながら、授業以外でもさまざまな起業家との交流やビジネスプランについてのディスカッションなどを行うことを計画している。
会見で西本学長は「今の学生は2050年の未来に、世界を担っていく世代だ。目先の課題に取り組むスキルを身に付けるだけでなく、これからの30年、荒波を乗り越えて自らチャレンジしていく根本的な力が求められる。今こそアントレプレナーシップのような学部が必要だ」と新学部開設の意義を説明した。
また、講演を行った伊藤氏は、ヤフーの企業内大学であるYahoo!アカデミアで培った教育や人材開発の経験を、大学教育に生かしたいと強調。「アントレプレナーシップのマインドをしっかり醸成していくことが、この学部の目的だ。日本では自分のやりたいことが分からずにもんもんとしている人や、他人が敷いたレールを進んで大人になる人がいっぱいいる。もしそこで、本当は自分の思いがあって、やりたいことがあるならば、踏み出していけばいい。そういうことを学生のうちに気付いてもらえたら」と力を込めた。
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