東京海洋大学はこのほど、海の生態系に深刻なダメージを与える海洋マイクロプラスチックの問題について学べる、子供向け環境教育教材「こども達の輝く未来に」を制作した。パンフレットと動画で、海洋マイクロプラスチックがもたらすさまざまな影響について解説し、削減に向けた取り組みに関心を持たせるための内容となっている。
ペットボトルやビニール袋など、海に漂うプラスチックごみは劣化と破砕によってマイクロプラスチックと呼ばれる微細片となり、海洋生物が誤って飲み込んだり、マイクロプラスチックを飲み込んだ魚が食卓に上がってしまったりする問題が指摘されている。
同学では九州大学と共同で、日本周辺のマイクロプラスチックの密度が世界平均よりも高いことや、50年先の太平洋全域でのマイクロプラスチックの浮遊量のシミュレーションなどを調査研究してきた。
今回制作された教材では、こうした研究成果を子供たちに分かりやすく伝えるため、豊富な図を用いて海洋ごみの被害や、ごみを減らしていくための方法を具体的に解説。制作には、海洋環境教育に取り組む日本セーリング連盟も協力し、小笠原諸島で開催されたヨットレースの際に行われたマイクロプラスチックの採集状況などを紹介している。
同教材は同学ホームページで公開されている。