GIGAスクールの通信費、一部国庫負担も 文科相表明

小中学校などでのオンライン学習環境の整備に必要な通信費について、萩生田光一文科相は11月10日、閣議後会見で質疑に応じ、「いまは基本的には自治体が負担することになっているが、義務教育のコストとして考えていく必要もあるのではないか」と述べ、通信費の一部の国庫負担を検討する考えを明らかにした。

閣議後会見で質問者を指名する萩生田光一文科相

萩生田文科相はまず、GIGAスクール構想による小中学校のオンライン学習環境について、「1人1台端末整備のための財政的な裏付けは、すでに確認している。自治体がそれぞれ対応すれば、来年4月以降、1人1台環境は作れると思う。校内LANについては、補正予算などでさらなる整備を求めている」と述べ、来年度から1人1台端末と校内LANによるネットワーク環境が整備される見通しが付いたとの見方を示した。

「けれども、初めてのことなので、今まで小学校の校舎で、1年1組から6年3組まで全員がいっぺんにパソコンを開くことはやったことがない。校内LANの容量だけではなく、そこにアクセスする外部からの容量などが本当に足りているのか。(オンラインを活用した)授業がきちんとできるような環境が整っているのか。今、追い掛け調査をしている」と説明。「各自治体では想像を超えた状況が出てくると思う。それに対して、どういう財政的な応援ができるか、今後考えていかなければいけない」と述べ、全国の小中学校でオンライン学習環境が整うように支援していく考えを示した。

その上で、自治体が負担するオンライン学習の通信費について、「せっかくつながっても、自治体の財政的理由で『1日の使用量は何時間以内にしてください』なんて言うと、夢のない政策になってしまう。通信費は基本的には自治体が負担することになっているが、(オンライン学習環境が)スタンダードになれば、義務教育のコストとして考えていく必要もあるのではないか」と述べ、一部の国庫負担を検討する考えを示した。

さらに「一定程度、国としても自治体に寄り添った対応をしていかないと、せっかく(オンライン学習の)環境が整備されても、財政的な理由でフルに使える自治体と、財政的な理由で時間制限などが出てきてしまう自治体が出てきてしまう。これは子供たちにとって、望ましいことではない」と、自治体間の財政力の違いによって学校現場のオンライン学習環境に格差が生じる事態への懸念を指摘。「こういった新たに想定される課題について、冷静に整理して、対応を検討していきたい」と話した。

萩生田文科相は11月2日の衆院予算委員会で、下村博文・自民党政調会長(元文科相)の質問に対し、「GIGAスクール構想の実現を確実なものにするためには、端末を配って終わりではなく、通信費をどうするかなどの新たな課題も当然付いてくる」と答弁し、小中学校の設置者である自治体が抱える通信費の負担について対応が必要との見方を示していた。

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