個別最適化された学びの姿 eポートフォリオ専門家が講演

学校や民間におけるeラーニングの成果が発表される「eラーニングアワード2020フォーラム」(e-Learning Initiative Japan主催)が11月11日、オンラインで開かれ、eポートフォリオの専門家である森本康彦東京学芸大学教授が、学習履歴(スタディ・ログ)などを活用した個別最適化された学びの姿について、特別講演を行った。

eポートフォリオの活用による個別最適化された学びの実現を語る森本教授(テレビ会議システムで取材)

森本教授は、新型コロナ対策でGIGAスクール構想が前倒しされ、今年度中にも小中学校で1人1台のICT環境が実現することを前提に、Society5.0に向けた教育をいかにつくるかが重要だと強調。新学習指導要領がうたう▽知識および技能▽思考力・判断力・表現力など▽学びに向かう力、人間性など――の3つの柱を子供たちの学びの中で捉えるには、ICTを使いながらアルバムのように見るeポートフォリオが重要なツールになると説明した。

一方で、個別最適化された学びを巡る議論について、AIドリルなどを学習者が受け身で利用するだけでは、本当の個別最適な学びにはならないと批判。「個別最適化は単に、その人の能力に合ったレベルの仕事や学びを与えることではない。その人の能力や経験を把握し、目指す目標やモチベーションに応じて、仕事や学びの方法と自己調整を、そっとアドバイスするものでなければならない。最適な『足場掛け』を提供して、同時にその人のポテンシャルも伸ばす。それをAIによって実現できたら、とてもよい」と述べた。

さらに現段階では「何のデータを用いてどんな分析を行い、最適化された学習支援をどう提供するか」が手探りの状態で、課題になっていると解説。eポートフォリオを活用して、学習履歴に加えて、学習成果や思考プロセス、振り返りの記述、校務データなどを集約し、教育AIによる分析(ラーニング・アナリティクス)を行いながら、学習者が自身の学びについて、さまざまなことを気付けるようにする技術が求められていると述べた。

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