学校での体罰「感情的になった」なお多数 都教委調査

昨年度に都内の公立学校で体罰を行った教職員が19人、体罰には至らないものの不適切な行為・行き過ぎた指導・暴言を行った教職員が201人に上ったことが、都教委が11月12日に公表した実態調査結果で明らかになった。体罰を行った教員の多くが「感情的になってしまった」としており、都教委は体罰の根絶に向けた取り組みを進める。

昨年度に都内公立学校で発生した体罰などの内訳(出所:都教委「令和元年度に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について」)

体罰を行った教職員は前年度より4人減少した一方で、不適切な行為などは4人増加し、全体では横ばいだった。危険・悪質な行為なども5校で発生した。

体罰を行った19人の学校種は中学校が12人と最多で、小学校と高校がそれぞれ3人、特別支援学校は1人だった。うち13人が「感情的になった」、5人が「体罰だと思っていなかった」と回答し、近年の傾向から大きな改善はなかった。体罰に至った原因は「指示に従わない」(7人)、「態度が悪い」(6人)が多かった。

都教委はこの結果を踏まえ、▽根絶に向けた校内研修などを全公立学校で実施▽全公立学校が体罰根絶の宣言を行い、ホームページなどで公表▽部活動の教育的意義や体罰防止などに関するガイドラインの活用▽新規採用教員に向けた服務事故の未然防止に関わる資料の公開▽懲戒処分を受けた者に対し、再発防止の観点からアンガーマネジメント研修を実施――といった取り組みを推進する。

12日に行われた都教委の定例会では、委員から「普段から児童生徒を自分よりも地位が低い者、自分の言うことを聞く者だと認識している場合、感情的になった時に手をあげてしまう可能性が高い」、「熱心な先生ほど体罰に陥りやすい側面もある」といった意見があった。

また別の委員からは「児童生徒の指導に困難を感じている教職員の苦労も伝わる。そもそも子供がなぜ問題行動を起こすのか、本来はどのような指導が望ましいのかといった背景についても、共有する必要があるのではないか」という指摘があった。

同調査は昨年12月2日から20日まで、都立・区市町村立学校2155校を対象に行った。教職員には校長による聞き取り調査を行い、児童生徒には質問紙調査と聞き取り調査を行ったほか、保護者からも情報共有を募った。


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