「豪州でロボットに問題」 児童が遠隔でデバッグに挑戦

遠隔操作でオーストラリアに送ったロボットのデバッグに挑戦しよう――。相模原市立小山小学校(阿部高美校長、児童657人)で11月12日、子供たちが作った農業用ロボットを遠隔でつなぎ、プログラム上の不具合を修正するプログラミングの公開授業が行われた。児童らは現地の人たちと簡単な英語でコミュニケーションを取りながら、問題の原因や解決策を議論し、遠隔で修正プログラムを実装した。

遠隔でロボットのデバッグ作業に挑戦する児童ら

授業が行われた5年生では、前時までに、社会科でオーストラリアの農業問題について学び、その発展として「総合的な学習の時間」で、その課題を解決するためのアイデアをレゴエデュケーションのロボット教材「SPIKE プライム」で表現。コンペを経て各クラスから1台ずつ、実際にオーストラリアにあるシスコシステムズ合同会社のオフィスに送っていた。

この日の5年3組の授業では、オーストラリアと教室を同時双方向でつなぎ、現地の社員が「送られてきた水まきロボットが途中で雨が降ってきても動き続けてしまうので、水浸しになる」と課題を提示。児童らはその原因や修正案を検討し、試行錯誤の結果、「シドニーの天気がもし雨または雪でないならば、モーターを動かし、そうでなければモーターを停止する」という修正プログラムを作成。遠隔操作でオーストラリアに送ったロボットに実装させた。

検証の結果、モニター上でオーストラリアにあるロボットが問題なく動作することが確認できると、教室では歓声が上がった。

授業を受けた児童は「これまでオーストラリアは遠い存在だったが、遠隔でつながるとすごく近くなった感じだ。オーストラリアの海をきれいにするような活動も、遠隔ならばできるかもしれない」と興奮気味に感想を話した。

英語を織り交ぜながらコミュニケーションを取る場面も

授業を担当した5年3組担任の平城(ひらき)慎也教諭は「『~でなければ』という独特な言い回しのプログラムは子供にとって難しく、黒板にヒントカードを掲示したり、子供たちのつぶやきを拾ったりしながら、解決策を導けるように意識した。クラスによってロボットの構造や目的は異なるため、デバッグすべき課題も全部違うところに苦労した」と振り返った。

また、阿部校長は「英語が教科化されたものの、実際に外国の人と話す機会があまりなかったのが課題だったが、遠隔で海外とつながることが当たり前になれば、子供たちも英語を学ぶモチベーションが上がる。これからは小学生のうちから世界とつながるのが当たり前になるのでは」とオンラインの活用に可能性を感じていた。

新学習指導要領でプログラミングが必修化されるのを受け、相模原市では2017年度から全小学校でプログラミング教育に取り組んでいる。プログラミング教育を推進する市教委の渡邊茂一指導主事は「相模原市にはJAXAの施設があり、小惑星探査機の『はやぶさ2』も遠隔で帰還プログラムを操作している。これをヒントに今回の授業を考えた」と、アイデアの着想を説明した。

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