わいせつ教員再任対策 文科相、法改正の検討状況を説明

児童生徒などへのわいせつ行為で懲戒処分を受けた教員の再採用について、萩生田光一文科相は11月13日、衆議院文科委員会の質疑で、「児童生徒等にわいせつ行為を行う者が二度と教壇に立つことができないようにしたいという思いは、私も全く同じ」と答弁。わいせつ教員の再採用を回避する教育職員免許法改正案の検討状況について、「刑の消滅」を定めた刑法との兼ね合いなど「法制局との調整に時間がかかっている」とした上で、「日本の法システムの中で、わいせつ教員だけが二度と教壇に立てない仕組みがどうやったら作れるか、頭を痛めている」と説明した。

衆院文科委で質問する浮島智子議員(前文科副大臣)

質疑では、浮島智子議員(前文科副大臣、公明)が「教員免許制度において、わいせつ行為を繰り返し、小児性愛障害や性依存症と考えられる人については、二度と教壇に立たせないような仕組みにするべきで、それが国民の常識に他ならない」と、教員免許法改正案の検討状況をただした。

萩生田文科相は「子供たちを守り育てる立場にある教師が、児童生徒等に対してわいせつ行為を行うようなことは断じてあってはならない。特に義務教育の公立学校では、児童生徒や保護者が教師を自由に選ぶことはできず、国として子供たちを守るための仕組みを講ずる必要がある」と、基本的な考え方を改めて説明。「児童生徒等にわいせつ行為を行う者が二度と教壇に立つことができないようにしたいという思いは、私も全く同じ」と続けた。

わいせつ教員の再採用については、現行の教育職員免許法では、懲戒免職処分を受けても3年が経過すれば免許状を再取得できることから、7月22日の衆院文科委で、萩生田文科相がより厳しく見直すため、同法の早期改正に向けて準備を進める考えを表明した。

衆院文科委で答弁する萩生田光一文科相

13日の質疑では、その後の検討状況について、萩生田文科相は「法制的には、懲役刑の場合でも、刑法の規定により刑執行後10年で刑が消滅することとの均衡が求められるなどの課題がある。法制局との調整に時間がかかっている」と説明。

「極論すれば、殺人犯であっても、(刑執行後10年たてば)その刑が消えるという日本の法システムの中で、わいせつ教員だけが二度と教壇に立てない仕組みがどうやったら作れるか、頭を痛めているのが正直なところ」と明かした上で、「しかしながら、特に公立の学校の場合は、(教師を)全く選べないわけだから、何か違うアプローチが必要だ」と述べ、検討に時間がかかっている現状に理解を求めた。

また、過去の懲戒免職処分歴を確認できる「官報情報検索ツール」の検索可能期間を「直近3年間」から「直近40年間」へと大幅に延長したことについて、「スタートとしては有効性もあると理解している」と説明。

「確かに、(検索した)処分歴で、わいせつ行為をしたかしないかは分からない」としながらも、「これが出来上がったことで、全国の任免権者がお互いに意識を高めてもらった。今までは(懲戒処分歴の)照会があっても、教育委員会同士で言いづらかったことが、わいせつに関しては『ちゃんと伝えていこう』となりつつある。そういう効果は期待したい」と指摘。各教委の採用権者が官報情報検索ツールで過去の懲戒免職処分歴を検索し、懲戒処分を下した教委に照会することで、再任を求める教員が過去にわいせつ行為で処分を受けたかどうかを確認する教委間の連携が進むとの見方を示した。

萩生田文科相は「法案提出の決意はいささかもぶれていない。内閣法制局との調整という課題があるので、その整理をして、将来後悔しない法律を審議していただけるよう全力で努力することを改めて約束したい」と答弁を締めくくった。

文科省は10月30日付で、過去の懲戒免職処分歴を確認できる「官報情報検索ツール」の検索可能期間を「直近3年間」から「直近40年間」へと大幅に延長したことについて、適切な活用を求める通知を各都道府県などの教委に発出。通知では、履歴書などの採用関係書類の賞罰欄に、刑事罰だけではなく、懲戒処分歴についても明示することを促すなど、教員採用における留意事項も挙げている。

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