東京版P-TECH 参画するIT企業代表者らが懇談

工業高校から専門学校までの5年間を通じて、IT企業が開発した情報技術を学ぶカリキュラム「TOKYO P-TECH」の本格実施を前に、都教委は11月16日、「TOKYO P-TECH」に賛同するIT企業3社の代表者と宮坂学副知事が、これからのIT人材のニーズの高まりや「TOKYO P-TECH」への期待などを語り合う懇談会を開いた。

「TOKYO P-TECH」の本格始動に向けて懇談する賛同企業の代表者ら

米国を発祥とするP-TECHは、IBMをはじめとするIT企業が、学校にプログラミングやネットワークなどの高度な情報技術を習得するプログラムを提供することで、不足するIT人材の育成につなげる教育モデル。日本では都立町田工業高校と日本工学院八王子専門学校が連携し、日本IBMが講師派遣やカリキュラム開発で協力する取り組みが試行的に始まっている。

来年度から実施される「TOKYO P-TECH」では、新たにシスコシステムズ合同会社とセールスフォース・ドットコムの協力が決まり、町田工業高校と日本工学院八王子専門学校の5年間を通じた高度IT人材の育成に着手する。

これを受けて開催された懇談会では、ヤフー代表取締役社長を務めたこともある宮坂副知事が「社会はSociety5.0時代に向けて、ますます知識情報産業やデジタル技術が重要になる。そういったことを『分かる』『できる』『つくれる』人材がどれだけ増えるかが、長い目で見れば企業と国の未来を左右する。未来を担っていく若い人に、将来にわたって有望な技術をしっかり勉強する機会を提供することは、都としても大切だと思っている」とあいさつし、民間企業と連携した取り組みの意義を語った。

米国の本社でP-TECHを展開している日本IBMの福地敏行取締役副社長は、町田工業高校での試行実施の成果を踏まえ、「新しいことに興味関心を持って、触ってみたい、試してみたいというチャレンジ精神が求められている。今はどんどん新しいテクノロジーが登場しているので、学び続けるマインドセットが大事だ」と高校生がプログラムを通じて気付いてほしい価値を強調。

新たに参画することとなったシスコシステムズ合同会社の仁王淳治執行役員公共事業統括も「生徒が生き生きとITに取り組み、喜びを感じている。さらに、教えている大人も楽しんでいるのが素晴らしい。デジタルやオンラインでもできるようになれば、可能性はますます広がる。世代を超えたり、グローバルで海外の生徒同士でやれたりするようになるかもしれない。今後がとても楽しみだ」と期待を寄せた。

また、セールスフォース・ドットコムの小出伸一代表取締役社長兼会長は「若い人にはゲームに参加するチャンスが来たのだと考えてもらいたい。ITはデジタライゼーション、グローバリゼーションというゲームに参加できるチケットだ。そういう気持ちで臨んでほしい」と語った。


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