遠隔授業の受信側「教師がいることは当然」 文科相

遠隔オンライン授業を巡る規制緩和論議の焦点となっている、受信側に教師の同席を求める要件について、萩生田光一文科相は11月17日、参院文科委員会で質疑に答え、「(オンライン経由で)話を聞いて、授業としてどう話し合っていくのか、どうまとめていくのかという段階で、教師がいることは当然のことだ」と述べ、要件の緩和に応じる考えがないことを改めて強調した。

参院文科委員会で答弁する萩生田光一文科相(参議院インターネット審議中継より)

萩生田文科相は、上野通子参院議員(前文科副大臣、自民)から、ICTを活用した遠隔授業によって教育の質を高めていくための考え方を問われ、まず、「学校教育においては、教師が子供たち一人一人の日々の様子、体調や理解度を直接確認、判断し、子供たちの理解を高めたり、生徒指導を行ったりすることが重要。多様な子供たちのきめ細かいケアや、けがや急病などの不測のリスクに対応する安全管理の観点からも、受信側に教師を配置することが必要であると考えている」と、基本的な考え方を確認した。

遠隔オンライン授業の受信側に教師の同席を求める要件について、「新内閣が発足して、デジタル担当大臣、規制改革担当大臣との2プラス1で、最初に出てきたのは、この話題だった」と述べ、10月2日に行われた平井卓也デジタル改革相、河野太郎行政改革相の3閣僚会合で議論になった経緯を説明。

続けて「GIGAスクール構想で1人1台端末を配備することが、教員を減らすことにつながるというのは、考えてもみなかった。(ICT機器を)あくまで教育ツールとして使いこなし、今まで黒板の前に立っていた先生たちが、今度は教室の中で画面をのぞき込みながら生徒とやりとりができるようになり、個別最適な教育ができると期待していた。それなのに、そこに『教師がいないでいい』という発想には、私は全く理解ができないと、はっきり申し上げた」と、3閣僚会合でのやりとりを紹介した。

萩生田文科相は「何か話を聞く時に、その瞬間だけ受け手として誰もいなくてもいいんじゃないか、というのは決して否定しません」と、オンライン経由で児童生徒が何らかの説明を受けることには問題はないとの考え方を説明。その上で、「けれども、その話を聞いて、授業としてどう話し合っていくのか、どうまとめていくのかという段階で、教師がいることは当然だと思う。このことは引き続きしっかり発信していきたい」と答弁し、受信側に教師の同席を求める要件を維持する必要があるとの見解を改めて表明した。

遠隔オンライン授業の規制緩和を巡っては、平井デジタル改革相が11月4日の閣議後会見で、「(萩生田文科相が)慎重になる理由がいくつかあると思う。そのあたりのところを解決する方法を一緒に考えていきたい」と述べ、萩生田文科相、河野行革相と再び3閣僚会合を開いて議論したいとの意向を示している。河野行革相も同日の閣議後会見で、「オンライン教育はわが国の教育のレベルを上げるために非常に重要」と述べ、再度の3閣僚会合に前向きな姿勢を見せている。

次のニュースを読む >

関連
関連記事