文科相、大学と意見交換 「遠隔授業は学生の納得が大事」

コロナ禍の影響で、大学での対面授業が十分に受けられない学生がいることを背景に、萩生田光一文科相は11月19日、大学団体を代表する学長らと意見交換を行い、学生や保護者の納得を得られる学習機会の確保と、相談窓口の充実などを改めて要望した。

大学の授業の在り方について議論する萩生田文科相(右)と大学団体の学長ら

また、オンライン授業の単位数は「60単位を超えない」とする大学設置基準を、次年度まで特例的に緩和したことにも触れ、「これが対面授業をやらなくてよいのだ、という間違ったメッセージになっているのだとすれば、改めて通知を出させていただきたい」と述べた。

参加した日本私立大学協会の小原芳明会長代行(玉川大学長)は「地域により感染状況が違い、対面授業ができるところとできないところがある。地方から東京に出てきて、恐怖心からなかなか(大学に)出てこられない学生もいる」と指摘。また「意外とオンライン授業の評価が高く、ある大学では85%以上が対面より良いと評価している」とした。

また文科省が先月、対面授業の実施割合が全体の半分未満となる大学を対象に再調査を行い、大学名とあわせて結果を公表するとしたことについて、公立大学協会の鬼頭宏会長(静岡県立大学長)は「地域による多様性を考慮し、そのような形での誘導は避けていただきたい」と反論した。

意見交換後の記者会見で萩生田文科相は「オンライン授業に学生は満足しているという声を、非常に多く聞いているという学長の意見もあったが、やはり学年によって考え方が違う。3・4年生はオンラインで十分な指導が受けられるという評価があることは認めたい。ただ、1年生はキャンパスに行ったことがないという、不安の声があることも事実だ」とした。

特に大学生活に慣れていない新入生については「初めて東京に出てきて、全く知らない土地でアパートを借りて、大学に一度も行ったことがなく、毎日パソコンの前で授業を繰り返している学生が、精神的にもよい環境にあるとは思えない。友との語らいや教授とのやり取りなど、さまざまなことを含めて大学生活だと思う」と配慮を求めた。

また「がむしゃらに対面授業をやれといっているわけではない。オンライン授業でも、中身が充実していれば学生は納得する」として、「ぜひ学校の相談窓口をきちんと充実させてほしい。今、こういう状況なので、こういうことをしている、と学生や保護者が納得できる説明を、年末に向けて丁寧にしてもらいたい」と要望した。

さらに「コロナ禍で退学を選択しなければいけない学生がいたら、今年、あるいは来年の退学者についてはコロナ禍の特別枠などで、状況が好転したら復学できるようにするということもお願いした」と話した。

文科省は今年4月の事務連絡で、大学のオンライン授業は60単位を上限とする大学設置基準を今年度は緩和する特例を示し、7月には来年度も同様の措置を取るとした。9月には後期授業の実施方針に関する調査の結果が公表されたが、対面授業の実施割合が低調であった大学には10月に再度、状況を把握するための調査を行った。

調査結果は現在集計中で、12月をめどに公表する。萩生田文科相は「なぜ対面授業をやらないのか、オンライン授業で対応できているのかといった学校ごとの事情も含めて、公表の仕方については相談する」とした。

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