校内ネットワーク 1321自治体が3月までに新たに供用開始

来年春をめどに全国の小中学校で1人1台端末が整備されたとき、学校内のネットワークやインターネットへの接続が可能な環境が確保できるかどうかを調べた、文科省の「通信ネットワーク環境整備に関する調査結果」(速報値)の結果が11月19日分かった。それによると、校内ネットワーク環境では、整備中と答えた1611自治体のうち、全体の82.0%に当たる1321自治体が3月末までに新たに供用を開始する。しかし、供用開始が4月以降にずれ込むと答えた自治体も合わせて290あった。インターネットへの接続では、動画の視聴が可能とされる2Mbpsの通信速度を、児童生徒の50%以上が同時接続できる環境がある自治体は、564自治体となっている。多くの自治体がインターネット環境の増強を予定しており、GIGAスクール構想の実現に向けた準備が急ピッチで進んでいる姿が浮かび上がってきた。

この調査は、校内通信ネットワーク環境整備の進捗(しんちょく)状況と、1人1台端末に対応できるインターネット環境整備の状況を調べたもので、全国の小中学校の設置者である自治体1819団体(3万2819校)が答えた。結果は11月12日の自民党文部科学部会で報告された。

校内通信ネットワーク環境整備の進捗状況では、全国の小中学校など3万2814校のうち、すでに「供用開始済み」が2490校(7.6%)だったのに対し、「整備中」が2万6566校(81.0%)だった=グラフ参照。

「整備中」と答えた学校の設置者である1611自治体に供用開始の予定を聞いたところ、「3月までに供用開始」が1321自治体(82.0%)、「4月中に供用開始」が252自治体(15.6%)、「5月以降に供用開始」が38自治体(2.4%)だった。8割を超える自治体が1人1台端末の整備目標である来年3月末までに校内ネットワークを整備できる見通しが立っている一方、ネットワーク整備が年度明けにずれ込む自治体も18%あることが分かった。

また、「整備しない」との答えが3758校(11.5%)あった。これには1Gbps以上の通信環境を整備済みだがまだ供用を開始していないとした2006校や、LTE端末で整備した1149校が含まれる一方、光回線が通じてない「未光地域」が25校、統廃合予定で整備を見送っているのが390校あった。

1人1台端末に対応できるインターネット環境整備の状況は、「学校から直接インターネット接続の場合」(798自治体)と「学校の回線を集約してインターネット接続する場合」(921団体)に分けて集計した=表1参照。現状の接続速度が1Mbps以下の学校を抱える設置者は、いずれもインターネット環境の増強を予定している。1Gbps以上の接続速度を整備済みあるいは整備予定の学校設置者は418自治体、100Mbps以上1Gbps未満は865自治体で、合計すると100Mbps以上の接続速度を確保しようとしている自治体は合わせて1283団体で、全体の7割を超えている。

ただ、こうした接続速度を確保することで、1人1台端末を使った学校の教育活動が十分にできる環境が整備されたとは言い切れない。「学校の児童生徒数や、同時に何人の児童生徒がインターネットに接続するか。児童生徒がインターネット経由で調べ学習などをするのか、それとも動画を見るのかで、必要な接続速度は全く変わってくる」(文科省初中局情報教育・外国語教育課)からだ。

このため、調査では、1人1台環境の下、1人当たり2Mbpsの接続速度を確保できる同時利用率をどう想定しているかについて、学校設置者である自治体に聞いた。2Mbpsの速度は、YouTubeなどを経由して提供される高画質の動画がスムーズに視聴できる接続速度とされる=表2参照。

それによると、同時利用率50%以上であっても、1人当たり2Mbpsの接続速度を確保することを想定している自治体は、564自治体だった。全国の学校設置者1819自治体の31.0%に当たる。

1人1台端末が整備され、学校現場でどのように活用されていくか、まだまだ見極めることは難しい。GIGAスクール構想が一気に進む中で、学校のICT環境整備は、パソコンの基本ソフト(OS)がバグを修正しながら進化するように、走りながら修正を何度も加えつつ進んでいくことになりそうだ。

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