地元企業の外国人と英語で交流 小学生がワールドカフェ

小学生と外国人が英語でコミュニケーションする、ワールドカフェの授業が11月13日、埼玉県上尾市立大谷小学校(深澤孝忠校長、児童759人)で行われた。同校の近くに本社がある、トラックの製造・販売を行うUDトラックスが協力。同社に勤務する外国人従業員が自国の文化を英語で紹介すると、今度は子供たちが日本の伝統文化を英語や実演を交えて説明し、一緒にあやとりやコマ回しなどを楽しんだ。

あやとりのやり方を教える児童ら

この授業は、同社従業員も参加していた同校の学校運営協議会で、学校側が打診して企画がスタート。本来であれば3月に行われる予定だったが、コロナ禍の影響で延期になっていた。

やっと実現したこの日の授業では、インド、スウェーデン、フランスの従業員がそれぞれにブースを作り、各国の文化を写真や実物を使いながら英語で解説した。グループに分かれた子供たちは英語で質問をしたり、各グループで考えてきた日本の伝統文化を教えたりしつつ、時間が来ると次のブースに移動して、別の国の人と再び交流した。

中には、インドの人と一緒にヨガに挑戦したり、コマの回し方をジェスチャーで一生懸命に伝えようとしたりする姿も見られた。

児童らは「折り紙の折り方を、どうやって説明すればいいか困った。英語は苦手だったけれど、うまくしゃべれなくても、表情やジェスチャーで伝わることが分かった」「インドの人が日本の焼き鳥を好きだと話していたのが意外だった。将来、自分もインドに行ってみたい」など、活動を通じて視野を広げていた。

上尾市では文科省の教育課程特例校の指定を受け、今年度から市内の全小学校で1年生から英語に親しむ活動を取り入れるなど、英語教育に力を入れている。今回の取り組みについて、深澤校長は「英語を共通語にして、言葉が通じる喜びを子供たちに経験させたい。これをきっかけに前向きにコミュニケーションする気持ちが芽生えてくれれば」と期待を寄せる。

また、5年3組担任の池田泰明(ひろあき)教諭も「子供たちは外国の人と交流して目を輝かせていた。多少は日本語交じりでも、うまく伝えたいことが表現できなくても、この経験は子供たちの自信につながるのではないか」と手応えを感じていた。

一方、今回協力した外国人従業員にとっても、子供たちとのワールドカフェは貴重な学びの体験となったようだ。

インドの衣装などを持参して説明にも力が入るロイドさん

同社で部品のデザインを担当し、日本に来て1年ほどのロイド・ソラオさんは、母国インドで使われているスパイスの実物を持参するとともに、伝統的な衣装を身に着けて登場。子供たちの目をくぎ付けにした。

「日本の子供たちと文化のシェアができるのを楽しみにしていた。子供たちはとても頑張って話そうとしていた。インドでは多くの人が英語を話せる。日本でも英語を小学校から教えようという試みは、国際化に向けてとてもいいスタートになるのでは」とロイドさん。初めて日本の学校を訪れたロイドさんらは、授業後に各クラスで子供たちと給食を一緒に食べるなど、日本の学校文化を味わっていた。

同校の学校運営協議会のメンバーとして、今回の授業の橋渡し役を務めた同社の高木理恵CSR担当マネージャーは「社内には約20カ国から100人ほどの外国人従業員が働いており、社内公用語は英語だ。アクセントの違いなど、世の中にはいろんな英語があることを子供たちに経験してほしかった。思っていた以上に従業員も楽しそうで、こうした取り組みは今後も前向きに考えたい」と意気込んだ。

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